TIME LIMIT〜有休編〜 おまけ

※須本君がランニングしてる公園で犬の散歩をしている女性視点です(笑)





ピピピピピ



6時。

私は今日も時間通りに目を覚ました。



「あら、花凜ちゃん。今日もマロンちゃんのお散歩行ってくれるの?」

「うん。行ってきまーす!」


私は朝から元気に愛犬(柴犬、2才、メス)と一緒に近所の公園に向かった。


(今日も会えるかなぁ♪)


しばらく公園をぐるぐるしていると、前方50メートル先に目的の人物がこっちに向かって走って来てるのが見えた。


(きゃーーvvいたーーvv)



「おはようございますっ!」

すれ違いざまにその彼に声をかける。


「おはようございます」

にこりとそう返してくれて、私はそのあまりにカッコすぎる彼のスマイルに瞬殺ノックアウトされたのだった。



 

 




彼に初めて出会ったのは1ヶ月前だ。

親に愛犬の散歩をせっつかれて渋々やってきたこの公園で、適当に時間を潰す為にベンチに座っていた時だった。

ものすごいイケメンが私の前を通り過ぎたのだ。

思わず二度見してしまうほど。

目を疑うほどだった。


(なに今の人…、カッコいい…)


一気に目が覚めた気がした。

早朝の公園は基本ウォーキングをしたり、お喋り目的で集まってる年配のお爺さんお婆さんしかいない。

その中に突如現れたランニング王子。


イケメンは何をしていても絵になるけれど、運動している姿も格別だった。

そして最初は軽やかに走り続ける彼も、数十分も走れば汗をかいたのか、タオルでそれを拭っていた。

その姿すらカッコよ過ぎて目眩がしそうになる。

ボーッと見つめていると、パチリと目が合った。


「おはようございます」


笑顔で朝の挨拶をしてくれた彼は、その瞬間に私の「推し」となったのだった――


 

 




以来1ヶ月、私は毎朝マロンの早朝散歩を買って出た。

もちろん彼に会うために。

そしてこの1ヶ月でだいぶ彼のことが分かってきた。


まずは名前は須本大樹。

T
医科大学病院の医師だ。

もちろん直接教えて貰ったわけではない。

彼がとあるお婆さんと話しているのを聞いてしまったのだ。


「私も須本先生に診てもらいたいわぁ〜」

「すみません、小児科医なんです」

「あらぁ残念だわ」


その情報『すもと 小児科医 近所』だけで、ググると一発で出てきたのだ。

T
医科大学病院のホームページに写真付きで載っている彼の情報が


そしてこの1ヶ月で知りたくなかったことも知ってしまった。

ある朝、彼が女性と一緒に走っていたのだ。


(ええええ誰よその女はーー???!!!)


ポニーテールに髪を結んだその女の子はまだ若々しくて、走る姿はまるで体育のマラソンの授業のよう。


(どうかどうか妹であって…!)

という願いは叶わず、またお婆さん達の声が耳に入ってきた。


「あら須本先生、今日は恋人と一緒なのね」

「いえ、妻です」


(つつつ妻……ですと……ガーンガーンガーン)


なんと彼は結婚していたのだ。

…そりゃそうだ。

こんなにもイケメンな医者の彼がフリーなわけがないのだ。

奥さんの一人や二人いて当然だろう。


でも奥さんが一緒に走る日は2週間に1回くらいしかないので、たいして気にならなかった。

私はその後も彼のカッコよすぎるランニング姿を見るのを楽しみに、毎朝公園に通うのだった――



(ああ……どうか1日でも長く彼がランニングを続けてくれますように……)

 

 

 

END

 

 

 

でもってある日突然公園には来なくなるのです。

それは明菜が
「公園もいいけど、マンションのジム使えば?」
とアドバイスしたから。

「え?ジムなんてあった?」
「あるらしいよ。隣の四宮さん(大手法律事務所の敏腕弁護士さん55歳独身、彼女有)が言ってた」
「へー」

引っ越して4年。
初めて39階にある30階台住人専用のジム(24時間OPEN)に早朝に行ってみると、誰もいなくてめちゃくちゃ快適で。
以来公園はやめてマンションのジムで走ることにした須本君なのでした〜

(天気気にしなくていいし、天気のいい日は富士山も見えるよ♪