TIME LIMIT〜有休編〜 おまけ〜千明視点〜





100%千明が悪い!」


「や、やっぱり…?」



温泉旅行から帰って来た次の日曜日。

凌が仕事に行ってる間に、私は隣の美鈴のところに行って、温泉旅行で夫から告げられたことを相談してみた。

もちろん、100%私が悪いと言われてしまったのだけれど。

有罪確定である。


「千明ってお義父さんがアレだから、家事育児は男性の仕事って思ってるでしょ?」

「そこまでは思ってないけど……でもしてくれて当然って胡座かいてたかも」

「言っとくけど、あんなに長い育休取ってくれる男、レアだからね?しかも復帰後も定時で帰って子供の世話してくれて、子供が病気になろうものなら仕事休んで看病してくれて…、自分のキャリア投げうってまで尽くしてくれる男なんて、滅っっ多に存在しないからね??」

「だ、だよね…」

「本当に分かってる?全部千明の為なんだからね?千明アンタ、めっちゃ愛されてるからね?それなのに夜を拒否してたですと?!

「べ、別に拒否はしてないけど…、正直面倒くさくて触らないでオーラは出してた…かも」


ムキー!!と美鈴が噴火する。


「そんな態度じゃそりゃ離婚考えられるよ!仕事と生きろよって言われるよ!ご愁傷さま!」

「だよね…、本当ヤバかった…」


とりあえず温泉でエッチしまくって、夫は機嫌を直してくれて離婚も思い留まってくれたけど。

でも、私が生活スタイルを変えないことには二の舞だろう。


「いきなり毎日は無理だけど、凌より早く帰る日も頑張って作ることにするよ…」

「当たり前だから。有休も溜め込んでないで、ちゃんと家族の為に使いなさいよ?」

「だよね…、分かった」

「千明はもうちょっと危機感持った方がいいよ。一ノ瀬さんはバツが1個付こうがめっちゃ優良物件だからね?普通にすぐに再婚出来ちゃうからね?」

「……はい、肝に銘じます」


チラリと私は美鈴の息子と自分の娘が仲良く遊んでる方に視線を向けた。


『親権は絶対渡さないけどな…』


あの時、夫は確かにそう言っていた。

裁判で戦ったとしても、今回の場合は99%私が負けるだろう。

娘と離れ離れになる未来も、私次第で確かに存在したのだ。

そして美鈴の言う通り、凌は娘の為なら当然再婚も視野に入れるだろう。

考えただけでゾッとした。



(家族を失ってまで目指したいキャリアって何なんだろう…)



今回のことでよく分かった。

そんなものは私の中で存在しないのだ。

家族がいてこそなのだ。

失ってまで無理に続ける必要はどこにもない。

優先順位を間違えてはいけない。



(諦めてたけど…、この機会に二人目も考えてみようかな)



きっと凌は喜んでくれるだろう。

私も授かったら嬉しい。


世界で一番大好きな人との子供だから――

 

 



END

 

 


以上、美鈴ちゃんに相談する千明のお話でした〜。
親友だからって容赦しない美鈴ちゃんです。むしろ親友だからこそ、ハッキリ指摘してあげないとね!