TIME LIMIT〜新婚編〜おまけ

※櫻井先生と惣田さんのお話です(明菜視点)





大樹さんは大学病院では、一ノ瀬お義兄ちゃんと産科の櫻井先生と一緒に『若手御三家』と呼ばれている――



「明菜……恋人募集中の友達っていない?」


ある日、仕事から帰ってきた大樹さんが申し訳なさそうに聞いてきた。


「櫻井が誰か紹介しろって本当煩くて…」

「産科の櫻井先生?」


恋人募集中かどうかは分からけど、私が紹介出来るほど仲がいい友達は2人だ。

まずは高校時代の親友、百合子に聞いてみる。


『何歳?31?!絶っ対無理!私どっちかと言うと年下の方が好みだから』

とバッサリ電話で断られる。


次はクラスメートで一番仲のいい惣田さんに聞いてみることにした

休み時間にコッソリと。


「惣田さんって…彼氏いるの?」

「…ううん。高校も女子高だったし、あんまり出会いとかなくて…」

「バイト先の人とかは?」

「女性ばかりだから…」

「そうなんだ。あのね、大樹さんの友達でいい人(かは知らないけど)いるみたいなんだけど、一度会ってみてくれないかなぁ?」

「須本先生の友達?」

「大樹さんと同い年だから31歳なんだけど……」


惣田さんは少しばかり考えて、

「いいよ」

と可愛く返事をしてくれたのだった。


 

 

 



次の日曜日、早速4人で会うことになった。

待ち合わせ場所のカフェに行くと、何やら店内が色めき立っている


「窓際の二人ヤバくない?芸能人?」

「カッコいい〜v」


皆の視線の先を見ると、大樹さんと櫻井先生らしき人が。

(ひーー眩しすぎる!イケメンの友達はやっぱりイケメンなのね!学生の時は絶対カースト上位の二人だわ!)


「大樹さん、お待たせ。連れて来たよ」


対面した惣田さんと櫻井先生。

私はもしかしたらこの時、生まれて初めて人が恋に落ちる瞬間を目撃したのかもしれない。

惣田さんの頬も櫻井先生の頬も赤くなっていた。

まずは自己紹介から入る。


「櫻井慎一です。医療関係の仕事をしてます」


医療関係?

大樹さんの方を見ると、こっそり

「いきなり医者っていうと女性側の見方が変わるから嫌らしい。過去に色々あったとか」

と教えてくれる。

なるほど、そりゃこの顔で医者ならもう自分自身なんて見てくれないだろう。


「そ…惣田愛です。須本さんのクラスメートで……出身は埼玉です」

「あ、俺も埼玉だよ」

「そうなんですか…?」

埼玉で意気投合した模様。


しばらく付き添ったあと、

「じゃあ後は二人でごゆっくり」

と私と大樹さんは席を外した。(私達もこれからデートなのだ♪)


 

 



2
ヶ月くらい経った頃、櫻井さんと付き合うことになったと惣田さんから聞かされる。


「そうなの?!おめでとう!!」

「うん……ありがとう」


でも惣田さんは何だか晴れない表情だ。

どうしたんだろう。


「櫻井さんってデート中にしょっちゅう途中で帰っちゃって…」

「え?!ケンカでもしたの?!」

「ううん…、いつも電話がかかってきて、用事が出来たから今日は帰るねって帰っちゃうの…」

「そうなんだ…」


普通に考えたらオンコールだと思うんだけど……

(櫻井先生は産科だからきっと担当の患者さんに何か緊急事態が起きて、急いで病院に向かったんだと思う。大樹さんだって月2回くらいは呼び出されて直ぐに病院に向かってるもんな)


「私、男の人と付き合うの初めてだからよく分からないんだけど…、私といるのがつまらな過ぎるから途中で帰るのかな…」

「ええ?!それは流石にないんじゃない…??」

「それか二股とか…。デートをダブルブッキングされてたのかな…」

「ええー…それも違うと思うけど」


どうやら彼女にオンコールだという発想はないみたいだ。

もしかしたら櫻井先生…、自分が医者だってまだ言ってないんだろうか。

付き合い始めたのに?

それはいくらなんでも不誠実ではないんだろうか…。


私は大樹さんにその旨を急いで伝えた。

惣田さんが不安がってることも櫻井先生に伝えてもらう。



「やっと医者だって打ち明けたらしいよ」

と後日大樹さんが教えてくれた。

医者だと伝えた時、泣かれてしまったらしい。


「よかった…、私と一緒にいるのがつまらないからいつも帰っちゃうんだと思ってた…」と。

でもって櫻井先生は

「そんなわけないから!一生一緒にいるから!」

とプロポーズまがいのことも言ってしまったらしい。


「上手く行ってよかったね、大樹さん」

「全くだよ、これでようやく櫻井も落ち着くだろ。婚姻届の証人欄は俺らで書いてやろうかな」

「ふふ…、そうだね」


もちろんそれはまだ先の話だ。

私と惣田さんが卒業する3年後の話。

ちなみに私達の子供を櫻井先生が取り上げてくれるのは、更に2後の話だ――


 



END

 

 


以上、惣田さんと櫻井先生のお話でした〜。
年上の人がいいなぁ〜と思ってた惣田さんと、まだ捻くれてない若い女がいいと思ってた櫻井先生の利害が一致して、上手くいったみたいです(笑)
産婦人科希望だった惣田さんと、将来実家の産婦人科を継ぐ予定の櫻井先生なので、そういう面でもピッタリだったということで。



〜二人きりになったあと〜


「惣田さん、趣味は?」

「えっと…碁が好きです。打つのも観るのも…」


「碁かぁ…。ごめん、オレ囲碁は進藤ヒカル・明人親子ぐらいしか分かんないや」

キランと目を輝かせる愛ちゃんです。

そのあと推しを語りまくったらしいよ。

(おお…めっちゃ喋るな)


翌日、小児科で須本君に相談する櫻井君です。

「惣田さんて囲碁が趣味なんだって…」

「へー(知ってる)」

「オレよく分かんないんだけど、アレってそんなに面白いの?」

「は?何言ってんのお前。囲碁より面白いゲーム他にないだろ!」

(そうなの??)と櫻井君。

「仕方ないな、俺が基本くらい教えてやるから、その無駄に優秀な頭脳にしっかり叩き込めよ」

とロッカーからマグ碁を取り出す須本君です。

「え?!何でオマエそんなもの持ち歩いてるんだよ?!」

愛ちゃんと一緒でガチ勢な須本君なのでした!

次のデートまでの1週間、休憩時間にひたすら特訓されたよ



一方、初っ端から推しを語りまくってしまったことを反省している愛ちゃん〜。

引かれてたらどうしようと恐る恐る2回目のデートに向かうと、

「実は須本に教わってみたんだ。一局打ってくれる?」

とマグ碁(買った)を出してきた櫻井君です。

推しを語りまくる自分に引くどころか、合わせてくれる櫻井さんに感動する愛ちゃんなのでした。

でもってそれからもデートの度に打ってくれたり、時にはイベントも一緒に行ってくれたり、自分に合わせてくれる優しい櫻井さんに徐々に惹かれていくのです。

(好きvv)


一方の櫻井君、普段の仕草だけでも充分可愛いのに囲碁のことになると急に饒舌になったりする愛ちゃんに

(須本が年下にハマるわけが分かる気がする…、めっちゃ可愛い…、全然捻くれてない…)とすっかりメロメロです。

とりあえず囲碁の定石とか戦法とか研究しまくってネット碁もしまくって、数ヶ月後にはアマ二段くらいにはなってる櫻井君です。

でもって告白したらOKしてもらえたよ
チャンチャン



ちなみに明菜達の子供を取り上げてくれるのは、2年後4年後6年後だったりするのですよ(笑)
千明の帝王切開の手術をしたのも櫻井先生だよ★