●TIME LIMIT〜帰省編〜 3●〜美鈴視点〜
「久しぶり〜〜!!」
帰省2日目のお昼に、ランチがてら近所のカフェで女子会がスター
4人全員幼稚園からの腐れ縁だ。
昔は女子会と言えば夜に集まって飲んでたものだけど、今や全員子
「あれ?美鈴、子供達は?」
「旦那にお願いしてきた」
「いいなぁ…」と若葉が呟く。
「私の元夫なんて、全然子供の世話なんてしてくれなかったからね
この春、東京から地元に戻ってきた若葉。
やっぱり『離婚』したかららしかった。
仕事人間で家庭を顧みなかった旦那さん。
若葉が何度泣いて訴えても一向に変わってくれなかった彼に、若葉
「共働きなのに私ばっか家事育児するのっておかしくない?」
と若葉はひたすら愚痴っていた。
(うーん…、これも既視感…)
2月の例の千明と一ノ瀬さんと全く同じだったからだ。
男女の立場は逆だけど。
でも一ノ瀬さんの訴えに千明はすぐに反省して、態度を改めていた
だから離婚には至らなかった。
「そういや美鈴って、千明ちゃんとまだ交流あるの?」
若葉が聞いてくる。
全員幼稚園からの腐れ縁なので、もちろん千明のことは皆も知って
「あるも何も…、私の旦那、千明の弟だもん」
「あれ?そうだったんだ」
「家だって隣同士で建てたからね、私達」
「マジで?!」
めっちゃ仲良しじゃん!とビックリされる。
「千明ちゃんって今何してるの?」
「裁判官」
「え?!すご…。でも確かに千明ちゃん、頭良かったもんね」
「大学もK大法学部だしね」
「さすが…。結婚してるの?」
「もちろん。今2人目妊娠中だよ」
「へー!千明ちゃんの旦那さんてどんな人?」
「イケメンな医者」
「マジで?!色々凄すぎなんだけど…。でも旦那さんも激務なん
「千明んちは親が保育園の送り迎えもしてくれてるからね〜」
「やっぱり親か〜。近くにいるって心強いよねぇ…。私も元夫も
「でも千明の旦那さん、めっちゃイクメンだからね。毎日定時で帰
「そんな男が存在するの…」
ウチの元夫に爪の垢を煎じて飲ませたいわ…と若葉が嘆いていた
確かに一ノ瀬さんのような人はレアだと思う。
定時で帰って子育てに参加する父親はそれなりにいると思うけど、
やはり年収の低い母親側が休むことになると思うのだ。
(一ノ瀬さんてやっぱり凄すぎだよね…、千明愛されてるなぁ…)
「若葉、こっちで再就職したの?」
「うん。そこの橋本歯科」
若葉は歯科衛生士だ。
やっぱり資格を持ってると強い。
「家まで100メートルだからめっちゃ楽。東京にいた時なんて、
離婚してホント良かった!と若葉は何だかイキイキしていた。
「養育費はちゃんと貰えてるの?」
「今のところはね。月3万だけど…、まぁ無いよりマシかな」
「3万かぁ…」
若葉の子供は今2歳だ。
これから18歳まで16年間3万を貰えた続けた場合の合計は約6
ちょっと少ない気がするけど…、世の中そんなものなのかな。
「東京にいた時より手取りはかなり減っちゃったけど、でも実家に
「ならよかった」
「美鈴は仕事は?まだあのアパレルの会社行ってるの?」
「ううん。寿退社して、今は専業主婦」
「そうなんだ!旦那さん稼いでるんだね〜」
「う、うん…まぁね」
実は私は、地元の友達には明人君のことを話していない。
囲碁を知ってる人で「進藤明人」を知らない人はいないけど、五冠
だからなるべく口外しない方向でいっている。
「でも旦那さん、千明ちゃんの弟ってことは年下なんだよね?」
「うん…」
「何歳?」
「…23」
「は?23歳?」
ええええーーー!!と若葉にビックリされる。
「美鈴ってそんな年下好きだった?どちらかというと、年上と付き
「うん…、年下は旦那が初めてだった」
「しかも9つも下って…、考え方とか子供過ぎない?」
「うーん…意外と大丈夫。むしろ若いから子供と遊んでも体力有
「あ、そっか。若いとそういうメリットあるのか〜」
今年33歳になる私達。
やはり体力の消耗も回復具合も、20代の時と比べて全然違うのだ
体力は若い旦那さんを持つ一番のメリットかもしれない。
(もちろん夜の方でもね)
その後、残り二人の近況も教えて貰う。
一人は旦那さんの親と同居なので、その愚痴をひたすら聞かされる。
もう一人は旦那さんがモラハラ気味で困ってるらしい。
束縛も酷く、今日の女子会もだいぶゴネられたとか。
千明も含め、私達5人とも29歳という同時期に結婚した。
結婚はゴールインって言うけど、決してゴールではないと最近皆と
むしろ新たな人生のスタートなんだと思う。
「ただいま〜」
結局6時間も駄弁ってしまい、夕方5時にお開きとなった。
実家に帰ると、子供達はリビングで明人君とオモチャで遊んでいた
「あ、お帰り美鈴ちゃん」
「ただいま。大丈夫だった?」
「うん。美鈴ちゃんはどうだった?」
「楽しかったよー♪皆元気そうでよかったよ」
「そっか。よかった」
明人君がニコリと笑う。
(可愛い…)
地元の友達と会う度、私は明人君と結婚出来て本当によかったと改
容姿が私のドストライクなのはもちろんだけど、優しいところも、
そして何より、明人君といると一切の不安がないのだ。
疑いようがないくらい、私のことを心から愛してくれてるって感じ
「明人君大好き…」
子供達と遊んでる彼を、後ろからぎゅーっと抱きしめた。
「私と結婚してくれてありがとう…」
「美鈴ちゃん…」
振り返ってきた彼に、抱き締め返される。
「オレも大好きだよ…」
「明人君…」
「オレの方こそ、結婚してくれてありがとう」
チュッとキスをされる。
明人君と結婚するまで、私の人生は決して順風満帆とは言いがたかった。
何人の元カレに裏切られたか、もう数え切れないくらいで。
千明みたいに、初めての彼氏とずっと長く付き合って、そのままゴ
でも、その分今の幸せを存分に噛み締めることができる。
「パパとママだけずるいっ」
私と明人君が抱き締め合ってると、それに気付いた子供達も私達に
4人で抱き着いてると、何だか可笑しくて、自然と笑みがこぼれて
―END―
以上、明人ファミリーの帰省話でした〜。
お盆とお正月に毎回3泊4日で美鈴ちゃんの実家に帰省してる模様です。
帰省する度にもちろん女子会は欠かせません!
女子会なんて大大大歓迎な明人です。
確かに美鈴ちゃんは普段家でひたすら家事育児をしているので、外部との接点がないんですよねー。
子供達もまだ幼稚園に入ってないのでママ友もいませんし。
元塔矢家の場所に家を建てたので、何となくご近所さんも年配の人しか住んでないイメージが(笑)
しかも明人が有名人なので、あんまり交友関係広げたくないでしょうしねー。難しいところです。
でも千明が産休入る10月からは、しょっちゅう千明が家に遊びに来てくれるんじゃないかな(^
^)
でも美鈴ちゃんは結婚まで男運が無さ過ぎて辛い思いばかりしてたので、より一層今の幸せを嚙み締めてますよね〜。
友達の現状を聞く度に、よりそう思うんじゃないかな。
若くて可愛くて育児に積極的で、しかも稼ぎもいい上、自分のことを溺愛してくれる旦那さんなんて最高ですからね!(笑)