●TIME LIMIT〜学歴編〜 おまけ●
※愛ちゃんの妹視点
「あれ?お姉ちゃん?!」
「雛?」
彼氏と映画を観に行った時、バッタリお姉ちゃんと出くわした。
お姉ちゃんは背の高い大人の男性と一緒にいて、思わずガン見して
(へー、この人がお姉ちゃんの彼氏かぁ…)
「あ、慎一さん紹介するね。妹の雛」
「初めまして。お姉さんとお付き合いをさせていただいてます、櫻
「は、初めまして…、妹の雛です」
お姉ちゃんの彼氏はめちゃくちゃイケメンだった。
32歳らしいけど、全然20代後半くらいに見える。
落ち着いていて、ワガママとか全部聞いてくれそうで、何でも
(えー、めっちゃいいじゃーん…)
しかも私は前に見てしまったのだ。
この彼がかなりの高級車に乗ってるところを。
上から下まで身なりに隙がなくて、おまけにこの気品……
(もう絶対お金持ちだよね…、何でも買ってくれそう)
「櫻井さんって、何のお仕事されてるんですか?」
「医師です」
「すごーい、お医者さまなんだぁ」
上映時間になり、お姉ちゃん達と一旦別れて、私は彼氏と席につい
私の彼氏は同い年の高校2年生だ。
友達の彼氏の友達だった彼と付き合い始めたのはこの春から。
まだ付き合って2ヶ月だ。
結構カッコいいし、優しいし、浦高だからもちろん頭もいい。
身長だって175センチって言ってたから高い方だと思う。
(でもなぁ…、やっぱり高校生なんだよなぁ…)
デートは常に割り勘というか、自分の分は自分で払う感じだ。
二人ともお小遣いの中でデート代も遣り繰りしてるから、そこまで
クラスメートに大学生の彼氏がいる子がいるけど、その子はデート
それだけでもかなり羨ましかったのに……あのお姉ちゃんの彼氏
あの顔であの身長で、しかも医者??
どう見ても平均的なただの大学生なお姉ちゃんが、どうやってあの
(本当に独身なのかな?お姉ちゃん騙されてるんじゃない??)
でもお姉ちゃんはこの前、彼氏の弟さんの結婚式に参加したらしい
結婚式ということは、当然親兄弟親戚もいるわけだから……騙され
お姉ちゃんは看護師志望で医科大学に通ってるから、もしかしたら
いやいやあれだけのスペックの医者だ、きっとナースも大勢狙って
考えても埒が明かない私は、映画が終わり次第お姉ちゃん達とまた
「浦高なんだって?オレもだよ」
「そうなんですね」
彼氏同士は高校ネタで盛り上がっていた。
そういう私はお姉ちゃんに馴れ初めを聞いてみる。
「櫻井さんとどこで出会ったの?」
「友達の紹介かな」
「友達?それって明菜さん?」
「うん。明菜ちゃんの旦那さんはお医者さんで、慎一さんの同僚だ
お姉ちゃんが大学に入って初めて出来た友達・明菜さんのことは私
お姉ちゃんがよく家で話してるし、家に遊びに来たこともあるから
(しかも結婚してるんだよね…)
19歳で結婚したらしい。
でもお医者さんを早々にゲットできるなら、賢いやり方かもしれない
「お姉ちゃんも結婚したら?」
「えっ?!///」
私は小声で「だってこんな優良物件他にいないよ?私なら逃さない
「も、もちろん私だってしたいけど……、大学卒業する方が先かな」
「じゃあ卒業と同時に結婚したら?」
「う、うーん…」
お姉ちゃんがチラリと櫻井さんの方を見た。
櫻井さんがお姉ちゃんにニコリと
「オレはそのつもりだよ」
と微笑んでいた。
もちろんお姉ちゃんの顔は真っ赤っ赤な茹でダコになっていた。
ランチ代は櫻井さんが全員分奢ってくれた。
しかも私は見てしまったのだ。
お会計の時、彼のクレカが真っ黒であることを。
(アレ絶対ブラックカードってやつだよね!)
(年会費だけで10万とかもザラな、招待制の超ステータスカード
「何か最近奢って貰ってばかりでごめんね…」
「オレが払いたいだけだから気にしないで」
「でも…っ」
お姉ちゃんが櫻井さんに、でもでもとゴネている。
この姉は何を遠慮してるんだろう。
せっかくのお金持ちな年上彼氏なのに、全部気にせず払って貰えば
「ちょっとお手洗い行ってくるね〜」
とお姉ちゃんをトイレに連れ出した。
「ねぇ、お姉ちゃんてもしかしてバカ?」
「え…?」
「何でもっと櫻井さんに甘えないの?」
「…雛の言う甘えって、どういうの?」
「そりゃあ色々買ってもらったり…」
「年上だから?」
「だってそれが年上彼氏の醍醐味でしょ?」
「…私はそうは思わない。そんなの対等じゃない」
「お姉ちゃんが櫻井さんと対等なわけないじゃん。向こうはお医者
「それでも、恋人同士なんだから、上下関係が生まれるのはおかし
「だからデートでも割り勘ってこと?」
「雛だってそうでしょ?」
「だって私の彼は同級生で、二人ともお金ないもん。もし社会人の
私は間違ってない。
男の人だって、絶対学生の彼女に払わせたくないと思う。
お姉ちゃんはもっと男性のプライドとか気にしてあげるべきだと思
「…慎一さんはね、初めて会った時、医療関係の仕事をしてるっ
「…だから?医者だって医療関係でしょ?」
「どうして最初から医者だと名乗らなかったんだと思う?その方が
「そりゃあ……肩書で見てほしくなかったからに決まって……あ
櫻井さんは自分自身を好きになってくれる人がよかったんだ。
そりゃあのイケメン顔で医者なんて言われたら、女性達は彼自身な
彼に歳の近い、婚活中のアラサー女なら尚更だと思う。
「私は慎一さん自身が好きなの。私の趣味も理解してくれるどころ
別に医者じゃなくても構わない。
顔だって、もっと不細工でも全然構わない――らしい。
「……つまり、お姉ちゃんはたまたま好きになった人が、超絶イケ
「そういうこと」
「んなわけあるかーーー!!!」
もうお姉ちゃんなんて知らない!
もうどうぞお好きにこれからも割り勘デートしてればいいよ!
私は絶対に将来全部奢ってくれる恋人を作るもんね!
「お待たせ〜」
トイレから戻り、私はお姉ちゃん達と別れて彼氏とのデートを再開
チラリと振り返ると、お姉ちゃんが櫻井さんと手を繋いで駅の方に
普段のデートは専ら電車移動らしい。
(私だったら絶対あの高級車でドライブデートするのになぁ…)
「さっき待ってくれてる間、櫻井さんと何か話した?」
私は彼氏に尋ねた。
「うん。ちょっと進路の相談に乗ってもらってた」
「進路?」
「櫻井さんて東大医学部出てるらしいよ。凄すぎるよな…」
「ととと東大?!」
「オレも少しでもいい大学入れるよう頑張るよ」
「うん…、頑張って」
「大学生になったらバイトも出来るし、雛ちゃんに奢ってあげるこ
「…別にいい。私だってバイトするし」
あれ?
素直に奢って貰えばいいのに、何で私ってば拒否してるんだろう…。
でも答えはさっきお姉ちゃんが教えてくれた気がする。
(……彼と対等でいたいからだ……)
「じゃあ誕生日とか…、特別な日だけ奢って?」
「もちろん」
大学生になるまで、まだ1年半もある私達。
この先どうなるのか分からないけれど。
でも、大学生になっても一緒にいられたらいいなぁ…と、ちょっぴ
―END―
以上、愛ちゃんの妹の雛ちゃん視点でした〜。
女子高に通う高校2年生です。
彼氏君は同い年で男子高に通ってます。櫻井君と同じ浦高ね。
一つだけ言えるのは、もし愛ちゃんが雛ちゃんみたいな女性だったら、確実に櫻井君は好きになってなかったでしょうな。
でも雛ちゃんも最後は姉に影響されて、彼氏が奢ってくれると言っても拒否してましたが。
年上彼氏なら奢ってもらうのは当然だけど、同級生彼氏だと別にいいって感じなんですかねー。
彼氏と長く続くといいね。どうだろうね。