●TIME LIMIT〜学歴編〜 おまけ●
※合コン中。(櫻井視点)
初体験の相手は誰だって特別だ――
合コン開始から1時間後。
幸野の初めての相手が、元カノの安井さんだと話の流れでバレて、
「じゃあ今から暴露大会な!」
皆も話せよ!と半泣きで、とんでもないことを提案してくる。
女性もいるのに普通ならめちゃくちゃセクハラなところだけど……
「いいよ〜。私の初めてはね、高2の時付き合ってたクラスの男子
と辻本さんが率先して話してきた。
「じゃあ次、須本!」
「えー…マジかよ」
「いつ、誰と、どこでシたんだよ?」
「んー…高1のクリスマスに、7月から付き合ってた初カノと、彼女の部屋で…だけど」
高1のクリスマスということは、当時須本は15歳だ。
早い、さすが須本だな…と感心するオレがいた。
「有馬は?」
安井さんが有馬さんに尋ねる。
「私は大学1年の時に、交際していた2年の先輩と。私もクリスマ
「私は高3の時に付き合ってたクラスメートと。夏期講習の後に彼
元カノの告白に幸野が
「は?オマエはオレが初めてじゃなかったのかよ?!」
とショックを受けていた。
「じゃあ最後は櫻井」
ついにオレの番が回ってきて、しぶしぶ話し出す。
「…大学1年の4月かな。春休みに2年の先輩と…」
「大学1年の4月の春休みってことは、それって入学前?」
須本が鋭くツッコんでくる。
「まぁ…」
「入学前なのに、その先輩とどこで出会ったんだよ?」
「……家庭教師で」
全員に同時に「ええ?!」と声を上げられる。
そう――オレの初めての相手は、高3の時に家庭教師をしてくれて
オレが目指す大学に、直近まで受験勉強をしていた1年生がいいだ
でも知的で美人な上、一生懸命一緒に対策を練ってくれる彼女に、オレが好意を抱
そしてオレの明らかに熱い視線に、気付かない鈍感な女性でもなか
もちろん受験が終わるまでは、大人しく家庭教師と生徒の関係を維
ついに迎えた合格発表の日。
オレは合格したことを伝えるのと同時
「ずっと好きでした」と――
「私も」と返してくれた時は死ぬほど嬉しかった。
それから数週間後に、彼女が一人暮らしをする部屋で、オレ達は結
(懐かし…)
もちろん順調に交際は続いていた……はずだった。
だけどオレが大学4年の時、彼女がとある性病にかかる。
苦しむ彼女を治療する医師の姿を見て、今まで絶対に嫌だと思って
だけど彼女の病気はもちろん性交によって移る病気で。
オレが陰性だったことにより、彼女の浮気が発覚することになる。
結局、約3年半続いた恋人関係にピリオドを打つことになった。
以降は、実は誰とも付き合っていない。
もちろんこの父親似の整った容姿に、医師という肩書き・年収目当
だけどとてもじゃないけど交際する気にはなれなかった。
同じ立場の女医に告白されたこともあったけど、どうしても元カノ
さすがに30歳近くにもなると周囲も煩く、婚活を始めることにな
医師という肩書きを隠したせいで、難航してしまったけれど。
でも、お陰でありのままの自分を受け入れてくれる人に出会えて、
もう一度告白したいと思える女性に出会えたのは、奇跡かもしれな
「慎一さん、大好き…」
「オレもだよ…愛」
愛にとっては、オレが初めての相手だ。
彼女の中で、オレが特別であることは間違いないだろう。
オレの中でも、もちろん彼女は特別だ。
彼女の右手薬指に輝く指輪にキスして。
愛の言葉を何度も囁やきながら、彼女を今日も優しく抱擁するオレがいた
―END―
以上、合コン中の櫻井君の回想話でした〜。
暴露大会とか嫌やね〜(笑)
櫻井君の両親は、お見合いの時と同様、家庭教師も自ら探してきた模様です。
櫻井父の大学の時の先輩の娘です。
1才しか違わない先生と生徒が毎週何時間も二人きりの時間を過ごすわけですから、まぁ恋愛感情も生まれますよね〜ってことで。
櫻井君の両親と相手の両親は実はそれを狙ってるのでした!親公認よ。
まんまと好きになって付き合い始める二人です。
櫻井君が産婦人科医の道に進んだのが、恋人の性病がきっかけで〜ってのは前から決めてました。
彼女と別れた後は、試験勉強に集中して。研修医・専攻医に忙しく過ごして。あっという間に三十路って感じでしょうか。
もちろんたまに合コン行ったりもしてましたが、そんなにいい出会いもなく。
愛ちゃんに出会えてよかったね。