TIME LIMIT〜学歴編〜 おまけ

櫻井君の実家病院の医療事務視点です





(ぎゃーー今日3代目いるーー!!めちゃカッコいいーー!!!)



私が医療事務として働いている桜レディースクリニックには、櫻井院長の他に5名の常勤医師が勤めている。

それとは別に、極稀にお姿を拝見出来る非常勤医師――それが院長のご子息で、将来この病院を継ぐことが決まってる3代目・櫻井慎一先生だ。


「田神先生インフルって聞いたけど、ピンチヒッターが3代目って本当?!」

「みたいだよ、さっき第2診察室に入って行ったの見たもん」

「今日の朝カンファ楽しみ〜vv」



医師以外はもちろん全員が女性スタッフのレディースクリニック。

ベテラン新人関係なく、全員がソワソワしながら朝礼に集合した。

いつもの伝達事項や申し送りの後、ついにその時がやってくる。


「急病の田神先生に代わり、今日から3日間第2診察室を担当する櫻井です。よろしくお願いします」


3日間も…!!やったーー!!)

と、きっと全員が思ったに違いない。

そのくらい彼は人気があるのだ。

院長似の俳優並みの容姿に、181cmという高身長。

東大医学部卒で、言うまでもなく頭脳明晰で若いのに知識量も半端ない。

更に人当たりも良く、患者さんにもスタッフにも高いコミュニケーション能力を発揮しまくっている。

且つリーダーシップ性と決断力を兼ね備えてるという――まさに次期院長に相応しい人材。

おまけに32歳という最も男盛りの時期なのにまだ独身ときたら――もう独女の誰もが熱を上げても仕方ない。


(私も彼氏いるけど、もし3代目に迫られたら絶対心移りしちゃうわ〜vv)




それだけに。


ショックだった。




月初だった為、レセプト業務で少しばかり残業になってしまった私

急いで更衣室で着替えてから、閉じかけた従業員用エレベーターに飛び乗ると――なんと中に櫻井先生がいたのだ。

(ぎゃーーvv)

しかも3代目ももう帰るところだったのか、私服に着替えていた。

(カッコいいーーvv)


1階でいい?」

「あ、はいっ!」

「残業お疲れさま。月初は大変だよね」

「あ、いえ…」


その労いの言葉に私は感動してしまった。

(私が医療事務だって覚えてくれてるんだ…)


「あの、3日もこっちにいて大学病院の方は大丈夫なんですか?」

「うん。もともと学会準備で1週間休暇申請してあったから」

「え、じゃあ学会準備間に合わなくなるんじゃ…?」

「もうほとんど終わってるから問題ないよ」

「そうなんですね…」

流石だ。

出来る男は仕事も早い。



2階で1人降りて、3代目が『閉』のボタンを押してエレベーターのドアを閉める。



(……え?)



そのボタンを押した右手を見てあることに気付いた瞬間、私の頭は途端に真っ白になってしまった。

なんとなんと、薬指に指輪がしてあったのだ…!!

どう見てもファッションリングではなくて。

きっと恋人とお揃いのペアリングなのだろうと…直ぐに気付いた




……どうしよう……めっちゃショック……




「櫻井先生…、普段は指輪されてるんですね…」

ショックついでにもう思い切って尋ねてみる。

「え?ああ…これ?」

「はい…」

「彼女とお揃いで買ってみたんだ」


まだ事情があって結婚は出来ないんだけど。

オレはそのつもりだって、彼女に知っててほしくて――と3代目が気恥ずかしそうに笑った。


「そうなんですね…、ラブラブでいいですね…」

「ありがとう」


はぁ…、やっぱいい男には恋人くらいいるよね…。

やっぱり今の彼氏で満足しようと思う私がいた――

 

 


END



 

 


櫻井君の実家病院で働く医療事務の女の子視点でした〜。(たぶん25歳くらい)

愛ちゃんに出会うまで婚活に苦戦していた櫻井君。
こんなに人気あるなら自分ちの病院で結婚相手探せば一発だったんじゃ?とも思いますが、大学病院も含め、同僚には手を出さないのが櫻井君のポリシーなのです。
(別れた時が面倒だからね)
須本君も同じです。あんなに病院で人気あるのに、他で恋人探してたのはそういうことです。

「事情があってまだ結婚できない」と言ってますが、その事情とはもちろん愛ちゃんの年齢ですよ。
須本君と違って、大学卒業するまで待つつもりの櫻井君なのでした!