●TIME LIMIT〜バイト編〜 おまけ●〜須本視点〜
「大樹さん、誕生日プレゼントはピアスがいいな♪」
「ピアス?」
もうすぐ明菜の記念すべきハタチの誕生日がやってくる。
プレゼントを何にしようか悩んでいると、彼女の方からリクエスト
「いいけど…、でも明菜、ピアスホール開いてないよな?」
「うん。だから一ノ瀬お義兄ちゃんにお願いして、明日開けて貰う
「へぇ…」
一ノ瀬は形成外科医だ。
ピアスホールはもちろんアイツの専門なので、明日大学病院で開け
(何だろう……モヤモヤする……)
一瞬、開けてほしくないと思ったのは俺のエゴだろう。
ピアスくらい、大学生の大半の女の子がしてるオシャレの一つだ。
別に鼻や舌にするって言ってるわけじゃないし、元カノ達だって皆
明菜にだけしてほしくないなんて……矛盾してるよな。
どんだけ過保護なんだって感じだ。
「大樹さん?どうかした?」
「いや…、じゃあピアスは今度の休みに一緒に買いに行こうか」
「うん♪」
「……」
次の日。
明菜は予約時間10分前に病院の形成外科にやってきた。
受付を済ませて、名前が呼ばれるのを待合所で待つ。
俺も時間休を貰って、妻に付き添うことにした。
「一人で大丈夫だよ?」
「うん…、でも一応な」
やがて看護師から「須本さーん、お入り下さーい」と声がかかる。
付き添いの俺を見た看護師に
「あれ?もしかして須本先生の奥さまなんですか?」
と尋ねられる。
「うん…まぁね」
診察室に入ると、一ノ瀬が手際よくカウンセリングと診察を行い、
「ここでいい?」
「うん、バッチリ」
そして消毒をし、保冷し始める。
一連の流れの間、ずっと眉間にシワを寄せてる俺。
そんな俺に気付いたのか、一ノ瀬が
「本当に開けちゃっていい?」
と明菜に最終確認する。
「旦那さんは嫌そうだよ?」
「え…?」
明菜が俺の方に振り返った。
「大樹さん…、私が開けるの嫌なの?」
「…明菜が開けたいのなら、別に構わないよ…」
「本当に?」
「…うん」
「そう…」
少し考える素振りを見せてくる明菜。
そして俺の目を見て話し出した。
「ごめんね、やっぱり開けたい。結婚式でイヤリングしたでしょ?
「そうだったんだ…」
「もう二度と付けたくないって思ったほどだった。でも可愛かった
痛さか可愛さか、どちらを取るか、ずっとジレンマを踏んでたとい
そんな時、ピアスだったら同じ耳の装飾品でも痛くないと聞いたら
「大樹さんの気持ちは分かるよ。体を傷付けてまで私にオシャレし
「…うん」
「でも私は大樹さんの為にオシャレがしたいの。可愛くなって、少
「明菜…」
俺らの間にはどうやっても埋めれない年の差がある。
少しでも大人っぽくなって、俺に釣り合う姿になって横に立ちたい
(…あーあ、俺の奥さんてなんて可愛いんだろう…)
そしてずる賢い。
策士だろう。
そんなこと言われたらもう反対なんて出来ない。
「…分かった。一ノ瀬、もう一思いに開けちゃって」
「了解〜」
半笑いの一ノ瀬が、直ぐ様ピアッシングし、あっという間に施術が
「わ〜、どれも可愛いね!どれにしようかな〜♪」
週末、明菜と約束通りピアスを買いに来た。
さすが昔の成人年齢なだけあって、ハタチの誕生日は特に特別な気
明菜には自分の好きなデザインのものをいくつか選んで貰って。
それとは別に、俺の方でもこれから先、特別な日に付けれるような
ダイヤモンドは4月生まれの彼女の誕生石だからだ。
帰り道、
「たくさん買ってくれてありがとう」
とお礼を言われる。
「初めて付ける日はデートしようね♪」
「そうだな…、楽しみだよ」
彼女の両耳には今はファーストピアスがしてある。
誕生日には全然間に合わないけれど、GWには一番のお気に入りの
―END―
以上、明菜への誕プレのお話でした〜。
まさかのピアスが欲しいという明菜に葛藤の須本君です。
本音を言えば開けてほしくなかった過保護な旦那様なのでした(笑)
財布を貰った時、倍返ししようとか思ってた須本君ですが、記念すべきハタチの誕生日ということもあって、結局今後長く使えるようなダイヤのピアスをプレゼントしたそうです。(20万くらい)
プラス普段使い用の明菜が選んだピアスを4、5個。(計1万くらい)
結局3倍返しをする須本君なのでした!