TIME LIMIT〜明菜編〜 おまけ2〜須本視点〜





「須本先生、ずっと好きでした」

「…ありがとう。でも…ごめんね。川嶋さんとはいい仕事仲間でいたいかな」


同僚の看護師からの告白を断った後、俺は急いでとある病室へと向かった。




コンコン


「ごめん一ノ瀬、遅くなった!」

ガラッとドアを開けながら謝る。

病室の中には一ノ瀬と、奥さんの千明さん、そして2日前に生まれたばかりの二人の赤ちゃんがベビーベットで眠っていた。

そう、ここは千明さんの病室だ。


「…さっき小児科行ったら、オマエが川嶋さんから呼び出されたって聞いたんだけど。まさか告られた?」

「あー…まぁな」

「まさかまた断ったんじゃないだろうな?」

「当たり前だろ。今から大事なイベントがあるってのに…」


そう――今日は今までの人生で一番大事な日と言っても過言じゃない。

これから明菜ちゃんがこの病室にお見舞いに来るんだ。

18
歳になった彼女が――



「…26歳の眼科のマドンナ、川嶋さんの方がよっぽどオマエに似合ってると思うけどな…」


俺がまた告白を断ったことに一ノ瀬が溜め息を吐いてくる。

そりゃそうだろう。

30
歳の俺には18歳の女子高生より26歳の美女の方が似合うと誰だって言うだろう。

でも、俺はもう過去の二の舞三の舞は嫌だ。

俺の傍に一生いてくれる人がいいのだ。

その為に重要な今日のファーストインプレッション。


(緊張してきた…)


「俺…変じゃないかな?」

手櫛で髪型を直すと、一ノ瀬にも千明さんにも苦笑される。

「頭以外はな。顔はいつも通りのイケメンだから安心しろ」





コンコン

ドアノックの音がして、すぐにガラッとドアが開く。


「千明、凌くん、おめでとう」

と一番に入って来たのは進藤ヒカル永世七冠だ。

続いて入って来たのはもちろん塔矢アキラ女流三冠。


(ひーー当たり前だけど千明さんと明菜ちゃんの両親ってこの神々なんだよな)


中高大と囲碁部の俺はもう別の意味でパニくる。

どれだけこの二人の棋譜を並べたことか……



「お姉ちゃん、おめでとう」


そして最後に入って来た明菜ちゃんの姿に…俺は目を見開いた――


(結婚式の時より更に可愛くなってる…)


どちらかというと進藤先生似の明菜ちゃん。

目が大きくて睫毛も長くて、色白で、スッピンでもその辺のアイドルより余っ程可愛く俺の目には映った。

胸がドキドキ高鳴る。

この病室の中で明らかに部外者な俺に、彼女が視線を向けてくる。

目が合って、俺は意を決して挨拶した。



「明菜ちゃんだよね?初めまして。お義兄さんの同僚の須本大樹です」

「……初めまして」



ここから俺らの物語はスタートした――

 

 

 


END

 

 

以上、須本君視点から見た明菜との出会いシーンでした〜。
モテモテ須本君です。30歳のフリーなイケメンな医者を、まぁ同僚の独女達が放っておくはずありませんからね!
でもマドンナと呼ばれる美人看護師(26)までフッちゃうなんて…!一ノ瀬君でなくても何で断った〜〜と思いますよね…。
どうせ付き合ってもすぐ浮気して俺から去っていくんだろ、と思い込んでる須本君ですからな。
あまりに断ってるので、女性陣からしたら「須本先生めっちゃ硬派!カッコいいvv」と勘違いされて更にモテてる須本君だったりするのです。

でもって彼自身はもう18歳の明菜との再会に全てをかけてる感じです(笑)
でもってヒカアキと一緒に明菜ちゃんはやってきたので、もちろん元囲碁部の須本君は違う意味でもドキドキしてるのです。
気の早い須本君は、

(え?もしかして明菜ちゃんと結婚したら進藤先生と塔矢先生が義理の親ってこと?!ヤバッ、どうしよ)
とか思ってるのですよきっと(笑)