●STUDY おまけ●
※精菜視点です
テスト2日目。
無事終了し、帰ろうとしたら彩が机で溜め息を連発していた。
「はぁ……」
「どうしたの?彩。テスト出来なかったの?」
「…出来たよ。京田さんに丸暗記しろって言われたところばかり出たもん…」
「へぇ…流石だね。じゃあ何でそんなに落ち込んでるの?」
「……昨日京田さんがエロサイト見てるとこ見ちゃったんだよね…。割りとショックというか……かなりショックというか……」
「そ、そうなんだ…。でも男の人って普通見るものなんでしょう?」
「…じゃあ、お兄ちゃんも見てるってこと?」
(え?!)
「佐、佐為は見てないんじゃないかな……」
「普通は見るものなんでしょ?」
「……」
帰って勉強するつもりだったのに、私は気になって急遽佐為の部屋を訪れることにした。
ピンポーン
「あれ?精菜?」
「佐、佐為……来ちゃった」
「いらっしゃい。でもテスト期間なんだろ?勉強しなくていいの?」
「ここでしてもいい…?」
「いいよ」
佐為はPCをしていたみたいだった。
私にご丁寧にお茶を出してくれた後、再びPCに向かっていた。
PC……
「PCで何してるの…?」
「ネット碁。韓国のプロ棋士とね」
「へぇ…」
「ごめん精菜。持ち時間あと10分しかないからちょっと集中させて」
「あ、うん。私もテスト勉強してるね」
30分後。
終局したらしい佐為が対戦相手と電話し出した。
検討はネットではなく電話らしい。
しかも、韓国語で。
(すごい…)
電話を終えた佐為が「終わったよ」と私の方にやって来た。
ぎゅっと抱き付いて髪にキスしてくる。
「……ねぇ、佐為」
「なに?」
「佐為もPCとか携帯でエッチなサイトとか見てるの?」
「……は?」
「佐為も見るの?」
「いきなり何…?」
「いいから答えて。佐為は見てないよね?」
「あー……」
「どうなの?」
「……精菜がいるのに見てるわけ……ないだろ?」
「あ、視線逸らした!嘘なんでしょ!佐為のエッチ!」
「………エッチで悪かったな」
佐為が私から離れていった。
そして再びPCに向かい出した。
(あ……やばい、怒っちゃった?)
約束もしてないのに勝手に来て、勉強の邪魔して、一方的に非難するなんて……私って最低だ。
「ごめんなさい…」
私は佐為に後ろから抱き付いた。
「男の人がエッチなのは当たり前だよね…。ごめんなさい…」
「…精菜は何の知識もない僕の方がいいんだ?」
「そ、そういうわけじゃ……」
「だってエロサイト見てる男を責めるってそういうことだろ?」
「……そうだね。矛盾してるよね……ごめんなさい」
「見るなって言うならこれからは見ないけど。でもその代わり、それなりの要求させてもらうからな」
「……え?」
振り返ってきた彼に即座に唇を奪われる。
でもって寝室に連行される。
5時間後。
『それなりの要求』をされた私が「やっぱり見てもいいよ…」と心変わりしたのは言うまでもなかった――
―END―
5時間体を貪られたらしいよw
〜〜更におまけ(佐為視点)〜〜
翌日は門下の研究会だった。
休憩時間、僕は京田さんに真相を確かめることにした。
精菜が変なことを言い出す時は、大抵彩が絡んでいるからだ。
「京田さん、一昨日彩と何かありました?」
京田さんが飲んでたコーヒーで噎せ出した。
「実は……」と一部始終を教えてくれる。
「俺普段は全然見ないのに…。久しぶりに見たい気分になった日に限ってどうして彩ちゃん来るかなぁ…しかも背後から突然」
「それは…御愁傷様でした。でも彩の奴も足音たてずに勝手に人んち入って来るなんて、問題ありまくりですよね…」
「今度からは見るときはチェーンも掛けることにするよ…」
「それが賢明ですね」
僕も絶対に掛けようと思ったのだった――
―END―