●SPRING VACATION 4●





「佐為、いらっしゃい♪」


翌日、僕は約束通り13時に緒方家を訪れた。

精菜の部屋に一緒に向かう途中で、早速彼女が僕の腕にぎゅっと手を絡めてきた。

少しだけ胸の柔らかさを感じて、顔の温度が上がる。


(ヤバい……今日は触らないつもりなのに……)


早からグラつきそうになる気持ちを戒めて、彼女の部屋に着いた後、

「一局打とうか」

と提案した。


「いいよ」

ニギって、僕が先手と決まる。

「「お願いします」」

と同時に頭を下げた。



パチッ……パチッ……パチッ……


(どうしよう……全然集中出来ない……)


打ち始めてみたものの、全く碁盤に集中出来てない僕がいた。

チラリと彼女の胸元を見る。

今日の精菜はよりにもよってV字のかなり胸元が開いたセーターを着ているのだ。

少し屈むと谷間とか見えまくりで。

それを彼女も分かってるのか、いつもより前屈みに長考してきていた。

絶対わざとだと思う。

何かめちゃくちゃ誘われている気がする。

こんな状況で一局打ち終わった後、何もせずに夕方までいられるんだろうか。


「佐為、どうしたの?」

「え?!」

「さっきからヌルい手ばかりだよ?悪手も多いし…」

「……ごめん」

「もう打つの止める…?」

と精菜が僕に近付いて来る。

そして僕の手を取って……ベッドに引っ張って行かれる。

一緒に腰掛けて、彼女が僕の肩に頭を凭れかけてくる。


「ねぇ佐為……何か気付かない?」

「え…?」

「私いつもと違うところがあるんだよ?」

「え?どこ…?」


精菜が僕の手を自分の胸にあててきた。

すると、確かにいつもと違う感触がした。


「あれ?精菜これ…」

「ふふ、この前初めて普通のブラ買ったんだ♪」


見たい?と可愛く聞いてくる。

そりゃ見たい……けど。


今日は触らないつもりだったのに。

でも胸に触れてしまった僕は、既に気持ちが揺らぎまくっていた。

揺らぐどころか、もう今日は無理だと、やっぱり触ろう、触らない日はまた今度にしようと思い直してしまっていた。


「どうかな?」

セーターを自分で捲って、でも少し恥じらいながら見せてくる。

今まではカップ付きのキャミソールとかを着ていた精菜。

新調したその下着は本当に大人用の物と同じだった。

もう無意識に僕は手を伸ばしていた。

ブラの上から優しく揉んでみる。


「精菜…少し大きくなった?これAじゃないよな?」

「うん……測ってもらったらBだって…」

「へぇ…」

「……ぁ…っ…」


彼女の胸に口付けながら僕らは体を横たわらせ、この日もほぼベッドの上で過ごしたのだった――
















「――で?どうだったん?我慢出来た?」


数日後、今度は西条が僕の家に打ちに来た。

部屋に着くなり早速結果を聞かれた僕は、もう苦笑するしかなかった。


「はは……まさか」

「あらら」

「もう諦めるよ。だって明らかに精菜は嫌がってないし…」

「まぁ緒方さんがいいなら別にいいんちゃう?」

「それよりさっき二局目の連絡来たよ」

「いつ?」

「4月19日、天元の予選C」

「誰と?」

「誰だと思う?」

「へ…?」


僕はニヤリと笑った後、西条に金森さんの名前を告げた。



今日から4月。

僕のプロ棋士としての対局が間もなくスタートする――








―END―









以上、中2になる前の春休みのお話でした〜。(プロ棋士編の1話と2話の間の話です)
友達(?)の家に初お泊りな佐為です。
まぁずっと打ってるだけですけどね。会話もほぼ打ちながらです。
佐為は幼稚園の頃から告白されまくってますが、西条が初めて告白されたのは小6の修学旅行みたいですね。
ちなみに小学校の卒業式とか中学に入ってからも何回か告白されてる西条です。
でも誰もピンと来なかったらしいですよ。
ピンと来たのは奈央ちゃんだけなのですvv
中学の修学旅行話もいつか書きたいなー。

精菜の部屋に行った時はほぼベッドの上で過ごしてる佐為(笑)
ひたすらイチャイチャしてるのですよ〜触りまくりですよw
おかげで精菜の胸はどんどん成長して、中学に上がる頃にはCカップに、高校に上がる頃にはEカップになってるのですw
大人になってもギリBの彩にとっては羨ましい限りですね!(笑)