●SHIYOU 2●
「電気…消さない?」
「消してほしい?」
「うん…」
「分かった。でも代わりにベッドの電気は点けるから」
「…うん」
部屋の照明が消されて、ベッドの両サイドのライトが点けられた。
間接照明って…ちょっとロマンチックだ。
「……ぁ…」
再び下半身に手を伸ばされた。
思った以上に濡れてる…のかな。
彼が触れている中心から、くちゅくちゅとイヤラしい音が絶え間無く聞こえる。
少しずつ、探るように指を中に入れられていく。
入れては戻して、入れては抜いて…の繰り返し。
「…は…っ、…ぁ…っ…あぁ…っ…」
「…塔矢の喘ぎ声、めちゃくちゃ可愛い…」
進藤に頬にチュッとキスをされた。
そのまま唇がずれて、耳に、首に、あらゆるところに口づけられる――わざと音を出して。
痕が残るようなキスもされる。
そして最後に――
「―……ん……」
彼の唇が僕の口をふさいだ――
「ん…、んん…っ、…ん…」
舌が侵入してきて、口内を隈なく探られて……僕の舌に絡めてきた。
息する余裕もあたえてくれない激しくて深いキス。
苦しいのに気持ちのいいこの口づけに…僕は次第にうっとりとなってきてしまった。
「―……はぁ、は…ぁ…進…藤…」
「ん…?どした?塔矢…」
「気持ち…いい」
「へへ…オレキス上手いだろ?」
「ん…」
「もっと気持ち良くしてやるよ」
「え…?」
彼の手が僕のひざ頭を掴み――脚を思いっきり広げられた。
中指だけで弄っていた秘部に、薬指も押し込められる。
さっき以上にグチュグチュといやらしい音が部屋中に鳴り響いてきた。
「……は、あ…っ、ぁ…あ…っ…」
もう駄目…と思った瞬間に、まるで心を読まれたかのように指を抜かれた。
代わりに他の、何かもっと大きなものがすぐに当てられる。
それが何なのかは見るまでもない。
見る勇気もない。
僕はギュッと目を閉じた。
「力…抜いてろよ」
「……」
うんと返事する代わりにコクコク頷いた。
「――…っ…」
徐々に中に入ってきた彼の分身。
思ってた以上に痛くて、逃げたくなる。
でも腰をしっかりと掴まれてるからそれは叶わなくて、どんどん奥まで埋められていく。
何で僕…進藤なんかとこんなことしてるんだろう…と今更ながらに思う。
何で進藤なんかに…僕の初めてをあげてるんだろう…。
「…嫌そうな顔」
「…え…?」
「眉間にシワ寄ってる…」
そう言われて、慌てて額の筋肉を緩めた。
「後悔…してるのか?」
「…分からない。ただ…キミとこんなことをする日が来るなんて…思ってもなかったから…」
「…オレも」
「え…?」
「オレも同じ。オマエとエッチするなんてさ…。ライバルとしてありえないって思ってた…」
「進藤…」
「オレら…これからも普通に打てるのかな。これを機にダメになったり…しないよな?」
「どうだろう…ね。分からない…」
「…そうだな」
僕の下半身に、確かにしっかりと埋まってる彼。
止まっていると…痛さはそんなに感じない。
しばらくすると馴染んできたのか、少し動かれただけで勝手に口から声が出た。
「…ぁ…っ」
「塔矢…」
「あ…っ、あぁ…っ、ぁ…っ」
突かれると何だか少し気持ちいい…気がする。
それを見抜かれたみたいで、どんどん攻めてくる彼。
ぎりぎりまで引かれては奥まで戻され、擦られる快楽を僕に教えてくれる。
でも、彼自身も気持ちいいのかもしれない。
余裕ぶっていた彼のポーカーフェースがどんどん崩れていっていた。
「―…は…っ、とう…や…」
「ぁ…っ、しん…ど…」
もう僕を気遣う余裕がなくなったかのように、好き勝手攻められた。
ギシギシ鳴り響くベッドで、一番ありえないと思っていたライバルと、一番深い場所で繋がってるなんて。
彼の手で、初めての絶頂を迎えることになるなんて。
ああ…本当に僕らの関係はこれからどうなってしまうんだろう……
「―…あ…ぁ…っ」
「く…っ…」
上り詰めた後、僕らは縋るようにキツく抱きしめあった。
息が落ち着くのを、頭が正常に戻るのを待った。
「…な?気持ちよかっただろ?」
「…う…ん」
まだ僕の中に埋まっている彼のもの。
終わったんだから早く抜いてくれないかな…と思いながらも、もうちょっとこのままでもいいかな…と何故か思ってしまった。
でも、進藤の方は全くもってまだ抜く気はないらしい。
それどころか、僕の右脚を持ち上げてもう一度、今度はもっと奥まで埋めようとする。
「あ…ちょっと…」
「嫌?」
「嫌じゃないけど…でも…っ」
「もう一回だけ。な?」
「……うん」
あと一回だけって言ったくせに、それから三回は続けてされて。
帰ろうとしたら引き止められて、泊まるよう促された。
しかも一眠りしたらまたしようって?
進藤ってもしかして絶倫?
それとも…欲求不満なだけ?
「キミって……彼女いたよね?」
「いつの話だよそれぇ。もう一年くらいフリーだし」
「ふーん…」
「塔矢が彼女になってくれたら、オレは今から彼女持ちだけどな」
「……え?」
進藤が僕の頬に唇を落としてきた。
優して、まるで愛情がこもってるようなキス…。
「今日エッチしてさ…女のオマエがやっと分かった気がした」
「…そう」
「めちゃくちゃ手に入れたくて仕方がなくなった」
「…え…?」
「オレのものにしたい。オレだけのものにしたい。今日だけじゃなくてこれからもさ、たまにこうやって抱き合いたいんだ…」
「………」
「ダメ?いいだろ?初めてをくれたってことは、オマエだって満更じゃないんだろ?ちゃんと責任取ってやるから」
「………うん。じゃあ…お願いしようかな…」
「お、マジで?やりぃ♪」
僕も今日初めて男の進藤を知った。
彼の腕の中が不覚にも心地好いと思ってしまったのは事実だ。
試しに付き合ってみるのも悪くない…かな。
もちろんいつまで続くか分からない。
もしかしたら一生続くのかもしれない。
でも、進藤は元々棋士を続ける限り一生向き合わなくちゃならない相手だから。
一生傍にいることが決定してる相手だから。
もしかしたら最初から運命の相手だったのかもしれない―――
「おやすみ。起きたらもう一回だからな」
「うん…いいよ」
ベッド横に置いたままになった囲碁雑誌。
表紙の僕は笑っていた。
今の僕みたいに―――
―END―
以上、ただのエロ話でした〜(笑)
私の中でのヒカアキの基本のような話。
とりあえず一回(?)してから付き合うのです!
こんな二人が大好きです(笑)