●SEX FRIEND●





僕と進藤は所謂『セフレ』という関係だ。

付き合ってもないのに定期的に体は合わせている。



「今夜いい?」

と進藤が聞いてくるのが合図。

「…いいよ」

と僕は了承した。


今は一人暮らしの僕の家に進藤と一緒に帰ってきて、一緒に夕飯を食べて、一緒にお風呂に入って、そして寝る前にスタートする。

(たまにお風呂場で始めちゃうこともあるけど…)

僕らはもう10代の頃から、何十回何百回と飽きることなくお互いだけで性欲処理をし続けている。

僕の初めての相手はもちろん進藤だし、進藤も…僕らしい。

僕は進藤以外の男性を知らないし、進藤も…僕しか知らないらしい。


「なに?知ってほしいの?」

「……別に」


進藤が意地悪く聞いてきた。

もちろん知ってほしくなんかない。

他の女なんか抱かないでほしい。

一生。


…これが、いつの間にか芽生えた僕の気持ち…



――進藤が好きだ――




「他で勉強しなくても、オレそこそこ上手いだろ?」

「…たぶんね。他の人を知らないから比べようがないけど…」

「知らなくていいんだよ、オマエも」


少し怒ったように、進藤が首筋に噛み付いてきた。

同時に胸にも触れてきて、僕らは再び体を合わせることにした。


毎度のことだけど、一回だけじゃ終わらない。

エッチして、まどろんで、エッチして、まどろんで、エッチして……を朝まで繰り返す。

もちろん朝を待たずに寝てしまうこともある。

一人用の布団で、進藤の腕に抱きしめられて眠るのは、最高に幸せを感じるんだ。


この幸せが一生続けばいいのにな……








「――…ん…」


明け方、目が覚めた。

進藤の方はまだ眠っていた。

可愛い寝顔だ。

チュッ…と口にキスしてやった。


「ん……とーや…?」

「おはよう」

「ん……はよ…」


目覚めた進藤に同じようにキスされた。

もう一度僕もキスで返して、進藤も返してくる。

更にもう一度返そうとしたら、火がついた彼が僕の上に乗ってきた。


「あ…やだ…」

「やだじゃねーよ。もう濡れてるくせに」

進藤が僕の下半身に指を入れてきた。


「これは…っ、昨日のがまだ残ってるだけで…」

「オレの、残ってる?」

「…残ってるよ。全く…」

「いいじゃん、オマエだって生でする方が好きだろ?」

「中で出すなんて信じられないって言ってるんだ!……デキても知らないから」

「心配しなくてもきっとすっげー可愛い子だって」

「………」


こんなことを簡単に言う進藤。

一体どういうつもりなんだろう。

僕らがただのセックス友達だってこと……ちゃんと分かってるのだろうか?



「もう…挿れるぜ」

「……うん」


進藤が再び入ってきた。

また何も付けないまま…そのままの状態で。

確かにこっちの方が気持ちいいのは事実だ。

キミと何の隔てもなく直に繋がって、キミを直に感じて……キミを好きな女としては嬉しく思う。

キミの赤ちゃんだってほしくないわけじゃない。


だけど、僕はキミの彼女でも妻でもない。

ただの同僚、ただの友達だ。

何の約束もしてないから…不安でたまらない……


「……塔矢?なに泣いて…。あ、痛いのか?」

「………」


…痛いよ。

心が痛い。

胸が苦しい。


「抜こうか?」

「………」


そう言われて、僕は拒否するかのように脚を彼の腰に絡めた。

手も背中に回して、彼が離れられないように抱き着く。

絶対に離さない。

一生離れない。


「進藤…キミを離したくない」

「オレ、離れるなんて言ったか?」

「…ううん」

「心配しなくても離れる気なんて、これっぽっちもないからな」

「……一生?」

「うん、一生」




―――え…?




「なんだよ、んな驚くことかよ」

「だって……僕ら…ただのセフレだし…」

「はぁあ?いつオレがオマエのことセフレなんて言ったんだよ?」

「だって、付き合ってないのに……してるし。こういうのをセフレっていうんだろう…?」

「そりゃ付き合ってくれとは言ってはないけどさー、普通口に出さなくても分かるだろ?」

「わ、分かんないよ!ちゃんと言ってくれなきゃ…。勘違いしても仕方ない」

「ふーん…そういうもんか」


頷いた進藤が、ちょっと真面目な顔になった。

僕の目を見て…見つめて、女なら誰しもが憧れるソレを言ってくれた。



「今更付き合おうとか言ってもアレだから…、結婚しよう。死ぬまでオレといて、塔矢」

「進藤……」


また涙が溢れてきて、進藤を慌てさせた。

でもこれは嬉し涙。

キミから正式にプロポーズされて、キミを手に入れて、僕はようやく本当の幸せを掴んだ気がした。



「塔矢…続きしてもいい?」

「あ、ごめん。いいよ…」


了承すると彼は直ぐさま動いてきた。

気持ちを確かめ合った後のエッチは、今までとは比べものにならないくらい気持ちよかった。






「オレはオマエのこと…中学の時からずっと好きなんだからな…」

「え…?」

「オマエだけだから…一生」

「うん…僕も…――」








―END―








以上、セフレ話でした!
セフレなヒカアキって萌えるなぁvvと書き始めてみたんですが、全然セフレじゃなかった><
単なる勘違い?(笑)
きっと18ぐらいの時から週一回ぐらいのペースでしてるんだろうな〜と思います。
ちなみに「セフレ」という言葉はアキラの中には元々ないような気がするので、きっと緒方さんあたりが体だけの女をセフレだと呼んでたのを聞いて、自分もそうなのかも…と勘違いしたのかも。
ヒカルの方は相思相愛な気満々で抱いてたみたいだけどね!(笑)