●SEINA V 4●





「……ぁ…ん…」



愛撫を再開される。

胸を揉まれて舐められて吸われて、先端を弄られる。

すると連動してるかのように濡れて疼いてくる下半身。

そのタイミングを分かってるかのように彼の手が下に伸びてきた。

太股を撫でられて…内股に移動して。

まるで焦らすかのように中心を触ってこない彼。


「……佐…為……」


私が物欲しそうに声をあげると、ようやく秘部を触ってくれた。

前後に擦られる度にくちゅくちゅとイヤらしい音が聞こえてくる。


「……ぁ……は……」


中に指を入れられて出し入れされる。

最初は一本、すぐに二本に増えて、中を掻き回してくる。

もちろん今の私はもう指なんかで満足出来ない。

この5年間、彼のモノを受け入れ続けて、すっかりその虜になってしまっているからだ。


「……佐為……も…来て」

「うん……ちょっと待ってて」

「ん…」


一旦私から離れた彼がゴムを付けだした。

結婚式までは避妊することに決めたからだ。

もちろん生の方が気持ちいいってことはお互い既に知ってるけど、ここは本能より理性を取って我慢することにする。


その代わり、

「結婚式が終わったら付けずにいっぱいしようね…」

と、再び私の上に戻ってきた彼に告げた。


「そうだな…ハワイではしまくろう」

「うん――」



もちろん今日だってゴム越しだけどたくさん愛し合うつもりだ。

秘部にあてられた彼の分身を、中に押し込まれる。

最初はゆっくり……徐々に早く動かれていく。


「…ぁっ、…ぁ…っん、…ぁ…っ」


回数を重ねる度に快楽を教え込まれていった私の体。

もちろん、ただ気持ちいいだけじゃない。

好きな人と繋がる――それだけで嬉しくて胸も温かいもので満たされるのだ。

涙が出そうなほどに。



「……ぁ……」


目をうっすら開けると、巧みに動く彼の姿があった。



(……カッコいいなぁ……)



佐為はどんな時でもどんな格好をしていても、もちろんいつも格好いいけれど。

こんな感じにちょっと汗ばんで、気持ちよさそうにも辛そうにも見える表情で必死に耐えて。

私を喜ばせようとしてくれてる姿も――すごく格好いい。

そして彼のこんな姿、こんな表情を見たことがあるのは私だけだということが――すごく嬉しい。

私達はお互いがずっとお互いだけだ。

今までも、これからも、きっと一生、永遠に――




「――…あぁ…っ」

「……は…っ…、精…菜……」


やがて私が登り詰めると、それを確認した彼も続けて達して脱力してきた。

ぎゅっと抱き締めあって…お互い呼吸を整える。



「佐為……大好き……」

「僕もだよ……」

「幸せになろうね……今も十分幸せだけど」

「うん……絶対にもっと、今以上に幸せにするから…」

「……ありがとう」



甘くてとろけるようなキスを何度も繰り返して。

私達は結婚した喜びを改めて感じ合ったのだった――


















「……ん……」


目が覚めると、カーテンの向こうが明るかった。

時計を確認すると、既に朝の8時。

私は気だるい体を何とか起こして…ベッドを降りた。

いつもは早起きな佐為もまだぐっすり眠っていた。

それもそのはず。

昨夜は結局朝の3時くらいまで絡み合い続けてしまったんだから。

1……2……3……4回。

4回もしてしまった。

初夜から飛ばし過ぎだろう。

いや、初夜だからかもしれない。

結婚して、やっと一緒に住み始めることが出来た喜びは、やっぱり何ものにも代え難い。

私は緩みっぱなしな顔のまま静かに寝室を出た。


着替えて身支度を整えた後、エプロンをしてキッチンに向かう。

もちろん朝食を作る為だ。

そして30分後――出来上がったところで旦那さまを起こしに再び寝室に戻った。




「佐為、起きて。朝ご飯出来たよ」

「ん……」


チュッと頬にキスをすると、彼がゆっくりと目を開けてきた。

でもって私に微笑んでくる。


「おはよう…精菜」

「おはよう」と返すのと同時に、腕を引っ張られて引き寄せられる。

バランスを崩した私はあっという間に彼の腕の中だ。

チュッと軽く唇にキスされる。


「朝ご飯は精菜がいいな…」

そんなことを耳許で囁かれて、もちろん私の顔は途端に真っ赤になる。

「き、昨日たくさんしたんだから…もういいでしょう?」

「朝の精菜も味わいたくて」

「で、でも、せっかく作った朝ご飯が冷めちゃうから…」

「じゃあ朝ご飯食べてから、もう一回しようか」

「……それなら、まぁ」


ようやく手を離されて、私は体を起こした。

佐為も起きて、再びパジャマに着替えだす。

(私もそうだったけど、お互い裸のまま眠ってしまっていたのだ…)


数分後には「「いただきます」」と向かいあって朝食を食べ始める私達がいた。



「これからは毎日精菜の作ったご飯が食べれるのかと思ったら嬉しいよ」

「ありがとう。お料理頑張るね」

「あ、でもたまには手を抜いてもいいよ。一緒に外食しよう」

「外食……」


その言葉にかなり感動してしまってる私がいた。

外食とはつまり、外での食事のことだ。

この佐為と、外で、堂々と、二人きりで、一緒に食事が出来る日が来るなんて……思ってもいなかった。

結婚したから、それも可能になるのだ。

もうカメラを気にしなくてもいいんだ。

これからはいつでもどこでも一緒に行けるのだ。



「結婚してよかった……」


涙まで滲んできて、佐為にクスリと笑われる。


「これからよろしく…精菜。二人でいい家庭を築いていこう」

「うん……そうだね」



テーブル越しに顔を近付けて、私達はそっと約束のキスをした。

これから色々あると思うけど、今の気持ちを一生忘れないでおこうと思った――







―END―







以上、佐為と精菜の結婚初夜話でした〜。
佐為が今まで住んでいたマンションで一緒に住み始めたみたいですね。
3LDKなので、一部屋を精菜にくれたそうですよ。
ちなみにこのマンションにはその後5年くらい住み続けます。
西条が「そろそろ家建てようかな」と言い出したタイミングで佐為もマイホームを考え始めるのです。
すぐ西条に影響される佐為です。
(でもって300mという近所に建ててしまう二人です)

ちなみに精菜が実家から持ってきた荷物の中に碁盤はありませんでした。
精菜の中では引退したんだから、もう必要のないものになっていたのです。
そのことに気づいた佐為は少なからずショックを受け、且つ一計を案じます。

朝食中の会話です↓


「精菜、一つだけお願いがあるんだけど…」
「なに?」
「時間のある朝だけでいいから、僕と一局打ってくれないかな…?」
「………何の為に?」
「その、僕の朝の調整に付き合ってほしいんだ」
「……そう。分かった、時間のある時だけね…」
「うん。ありがとう」



こうして佐為と精菜は毎朝一局打つことになったのでした!
引退はしたけど、精菜にはずっと囲碁を打っていてほしい佐為なのでした!
もちろん一局打ち終わった後はラブラブするよvv