●TIME LIMIT〜産後編〜





「かわいいね〜」


アキラと産まれたばかりの明人が退院して、家に帰ってきた。

千明はこの小さな弟に毎日夢中で、学校から帰ってきては一日中ずっと眺めていた。


「よく飲んでるね」

「そうだね」

「私もこんな感じだった?」

「うん、千明もよく飲んでたよ」

「そっかぁ…。でも一週間だけなんだよね?もっと飲みたかったなぁ…。明人、すっごく美味しそうに飲んでるんだもん」

「飲んでみる?」

「もう赤ちゃんじゃないもん」

「はは」


オレは赤ちゃんじゃないけど飲んでみたいぞ!

と、夕飯の支度をしながら授乳中の妻と娘の会話を聞いて、一人むんむんとしていた。

はぁ…そういえばもう半年もしてない。

8年間禁欲生活だったんだから半年ぐらい全然余裕な気もするが、アキラと結婚して以来しばらく毎晩やりまくってて…体がそれに慣れてしまったからヤバい。

もちろんまだ出産して二週間しか経ってないから、挿れるのは我慢する。

でも多少のスキンシップというか触り合いっこというか…アキラの大きくなった胸に触れたい。

オレも飲んでみたい。

ダメかなぁ?

ちょっとぐらい味見させてくれないかなぁ?






「アキラ〜♪」


夜になって、夫婦の時間になったら、アキラに擦り寄ってみた。

育児の本に夢中のアキラの頬に――キスを落とす。


「…なに?」

「なにって…ちょっと構ってもらおうと思って」

「生憎今の僕に旦那を構う余裕はないよ。この本読んでしまわないと」

「そんなに根詰めなくても何とかなるって〜」

「もう授乳の時間だから」


アキラがベッドから降りて、ベビーベッドにいる明人を抱き上げた。

パジャマのボタンを外して、乳首を吸わせ始める。

その様子を横からじーっと見てやった。


「…やっぱ母乳って便利だよな。千明の時は一日何回も作ってすげー大変だったもん」

「そうなんだ。よく出てくれる胸でよかった」

「…千明と離れた後もしばらく出てた?」

「うん。いつ頃まで出てたかな…。途中でカール君にも飲ませたから余計に延びた気もするけど」

「カールって誰だよ??男か!?」

「なにムキになってるんだ。確かに男の子だけど…赤ちゃんだよ?キミが探してくれたホームステイ先に嫌みとばかりに赤ちゃんがいたからね!」

「へ…?」

「一度両親が不在の時に泣き止まない時があって…いちいちミルク作るの面倒だし、もう自分のを飲ませたんだよ」

「へぇ…」


そんなことがあったんだ…。


にしてもいいよな…赤ん坊って。

それだけでアキラの母乳が飲める権利があるんだから。

…いやいやいや。

アキラはもうオレの奥さんだ。

オレのものだ。

オレにだって、その権利があるはず!



「ん…終わったみたい」


明人をゲップさせた後、再びベビーベッドに戻した。

そしてパジャマのボタンをしようとするアキラの腕を――オレは掴んだ。


「…ヒカル?」

「な、オレにも飲ませて?」

「は…?」


途端に頬を赤くするアキラを、即座にベッドに押し倒した――


「ちょっ…ヒカル!まだ無理…っ」

「エッチしようなんて言ってないだろ?ちょっとオレにも母乳とやらを味見させてよ」

「…そんな美味しいものじゃないよ?」

「いいよ」


パクッとアキラの乳首に吸い付いた――


……すげ。

ほんとに出てくる…。

ゴクンとひとのみした後、口を離して…今度は揉んでみた。


「……ぁ…」


刺激を与えるとすぐに先から滲み出てくる。

乳房をつたって流れてくその様子は…超エロい。

すぐに舌できれいに拭き取ってやる。


「もう…何がしたいんだキミは…」

「アキラといちゃいちゃしたい」

「……」


胸から手を離して――赤く染まった彼女の顔を包み込み、丁寧にキスをした――


母乳はおまけ。

本当はただアキラといちゃいちゃしたいだけ。

一緒にいる喜びを感じたい。

想いを伝えて、彼女の方からも本心で返してもらいたい。



「好きだよ…アキラ」

「僕も…好きだよヒカル」









―END―









以上、母乳が飲みた〜いヒカルの話でしたー。
題も母乳編にしてやろうかと思いましたが、あまりにもアレなんで…やめました(笑)
うちのヒカル君は昔っからアキラの母乳を飲むのが大好きです。もう何回も書いた気がする…。

にしても、このシリーズで心の通じ合った後のヒカアキがいちゃいちゃしてるシーンってあんまり書いてないことに今頃気づきました。
一番重要なことを忘れてました。
今数えたら2回…かな?たった2回しかエッチしてません。
ものすごくいっぱいHシーン書いたのに、心が通じあった後はたった2回でした…。ちょっと私自身ショック…どんだけ愛のないセックスばっか書いてんだよー。
でも、まァ、これでやっとアキラは身軽に戻ったわけですから、しかも明菜を身ごもるまで3年くらい間があるわけですから、いっぱい体でも愛し合ってもらおうと思います。