●REVENGE おまけ2●





「おはよ〜精菜」

「あ、おはよ…彩」



いつも駅で待ち合わせて一緒に学校に行ってる私達。

彩がいつも乗ってる電車がこの駅に着くのは8時9分。

いつもなら彼女はこの北口の改札から出てくる……のだが、今日は違った。

駅の外からやって来たのだ。

外には併設してメトロがある。



いつもと違う電車を利用する――その意味はきっと一つしかない。



「彩…もしかして、朝帰り?」

「え…っ?!」


途端に顔を真っ赤にする彼女。

図星なんだろう。


「告白、上手くいったんだ?」

「うん…まぁね」

「わぁ〜おめでとう!よかったね」

「えへへ…ありがとう」


彩が京田さんのことを好きになったのは、私達がまだ小学5年生、院生だった頃だ。

以来ずっと一途に彼のことを想い続けていた彼女。

16歳になったら告白すると約束していた彩は、昨日ようやく16歳となった。

予定通り告白して、無事OKしてもらえたらしい。



「でもいきなり泊まったの?おじさんとおばさん反対しなかった?」

「んー…お母さんにしか言ってないんだよね。お母さんには正直にお願いしたんだ。京田さんを4年以上も待たせてるから…今夜は帰らないって」

「へぇ…おじさんに上手く誤魔化してくれてるといいけどね」

「うん……今日帰るのがちょっと恐いよ」


彩が苦笑いしていた。





学校に着くと、携帯が震えた。

佐為からLINEだった。


『おはよう。彩、ちゃんと学校来た?』

クスッと笑ってしまった。

『おはよ〜。ちゃんと来たよ(笑)』

と心配性なお兄様に返信する。

『よかった。彩のことだからサボりかねないからな』

『彩はそうでも、その辺は京田さんがちゃんとしてると思うよ』

『そうだな』

『おじさん、怒ってなかった?』

『怒ってはなかったけど、めちゃくちゃ沈んでた』

『あはは』

『今日しかも研究会あるんだよな。気まずすぎ』


研究会かぁ……


「彩、今日おじさんの研究会の日なんだね。佐為が気まずいって」

「ええ?!もう精菜、お兄ちゃんに余計なこと言わないでよ?!」

「言ってないよ。とりあえずおじさん、めちゃくちゃ沈んでたって」

「え?!じゃあお父さんに外泊バレてるってこと?!」

「そうじゃない?おじさん今日、京田さんに根掘り葉掘り聞いたりしてね〜」

「な、何を聞くのよ?むしろ何も聞きたくないでしょっ」

「まぁそうかもね」



「――あ」



「なに?」

何かを思い出したのか、彩が気まずそうな顔をしてきた。

「ごめん…精菜」

「え?」

「私、うっかり京田さんに話しちゃった…」

「……何を?」


彩が周りに聞こえないよう私の耳元で教えてくれる。


「お兄ちゃんと精菜が一週間前に初めてエッチしたこと」

「えっ?!」

「ごめん精菜〜〜」

「し、信じらんない……!」


私は直ぐ様佐為に報告してやった。


『佐為聞いてよ!彩が京田さんに一週間前の私達のこと話しちゃったって!』

『はぁ?!彩、帰ったら覚えてろよ!絶対許さないからな!』


「彩、佐為が許さないって」

「ええ?!ごめーん、ついうっかり…」

「うっかりじゃないよ、全く。代わりに彩も何か教えなさいよね!」

「え?何を?」

「昨夜の京田さんとのことよ!」

「ええー…、でも別に変わったことしてないよ?普通にエッチしてエッチして一緒にお買い物行って夕飯食べてケーキ食べて誕生日祝って貰って〜また夜にエッチして朝もエッチしたくらい?」

「……彩、4回もしたってこと?」

「え?うん…。多かった?」

「……」


私の方も仕返しに早速佐為にバラしてやる。


『佐為聞いて!彩ったら一晩で4回もしたんだって!』

『マジで?!』

『京田さんてもっと淡白そうなのに!意外!』

『そうだな……じゃあ今度僕らはもっとしような』




…………。




「精菜?大丈夫?顔赤いよ?」

「あはは……大丈夫大丈夫」


どう返信しようか迷ったけど、結局

『うん♪』

と返してみた。





まぁ結局それから2ヶ月半、そんな機会はやって来ないわけだけど。

その間も彩と京田さんは何度も逢瀬を重ねていて、私は心底二人が羨ましく思ったのだった――






―END―







以上、おまけ1のその後、学校での彩と精菜とLINE佐為の会話でした〜。
精菜と佐為は会えない分、メールやLINEはしょっちゅうしてるらしいです。もちろん電話も。
一週間しか経ってないこの頃はまだ余裕がありますね、二人とも。
地方イベント話の時は2ヶ月半も空いてしまったので全く余裕なかったですもんね!(笑)
でもお陰で4回を余裕で上回る回数を出来たんじゃないでしょうかw

ちなみに始業ベルが鳴るまで、いつも西条とダベってる佐為〜。
会話しつつも今日は佐為がやけに携帯をイジってるので、気になって覗きます。
で、上記の内容です。
「なに朝っぱらエロいLINE送ってんねん!」ともちろん突っ込む西条ですw
このエロ十段が!と。