●REBORN 4●
「わ、すごい!ヒカルが北斗杯の代表になった!」
「あら、またヒカル君?」
新しい週刊碁を買ってきてもらう度に『進藤ヒカル』をチェックする私を見て、お母さんが笑った。
「楓ちゃんは本当にヒカル君が好きなのね〜」
「うん!」
頷くとお母さんが意味深に微笑んできた。
まるで娘の恋を応援する母親みたいな感じに―。
でも別に恋…とかそういうのじゃないんだけどな。
だって…相手はヒカルだし。
「そうだ!一度ヒカル君に来てもらいましょうか!」
「え…?」
「プロって出張指導碁もしてるんでしょう?頼んであげましょうか?」
「…いい」
「どうして?」
「早く良くなって…私の方から会いに行くから」
「そう?」
…指導碁なんて私には必要ない。
そんなことでヒカルの大事な時間を割くわけにはいかないし。
北斗杯の代表になったことで今頃は色々忙しいと思うし。
私は私で頑張ろう。
「あら、また碁を打つの?」
「うん」
両親に買ってもらった携帯式の碁盤を出してきて、早速今日も打ち出した。
「お母さん、私ね…ネット碁が打ちたい」
「ネット碁?インターネットで囲碁が打てるの?」
「そういうサイトがあるの。世界中の人と碁が打てるんだよ」
「じゃあ楓ちゃんの部屋でもパソコンが使えるようにしてあげるわね。確か前にお父さんが使ってたノートがあったと思うんだけど…」
お母さんが納戸から少し前の型のノートパソコンを出して来てくれた。
「じゃあこれ、楓ちゃんにあげるわね。ネットの方もすぐ業者さんに頼んであげるから2、3日待ってね」
「ありがとう。あとね…」
「なぁに?」
「体が完全に治ったら…院生になりたいの」
「院生?」
「囲碁のね、プロを目指してる子供たちが入る塾みたいなやつなんだけど…」
「まぁ!楓ちゃんが塾?」
塾という単語に異様に喜ぶお母さん。
「いいわよ。じゃあ早くその塾に通えるようにリハビリ頑張りましょうね」
「うん!」
去年の秋には退院した私。
今は自宅で最後の調整中…といったところだ。
この春からは無事に小学6年生になれた。
遅れていた勉強面は佐為としての記憶が役に立ってよかった。
ヒカルと授業中もずっと一緒にいたから、一応中学生までの内容は頭に入ってる。
しばらくは碁に没頭しても大丈夫…だと思う。
ヒカルと再会するまでにネット碁で鍛えて、前よりもっともっと強くなって、驚かせてやるんだ♪
そうだ。
ハンドルネームはまた『sai』にしよう。
上手くいけばヒカルが私の存在に気付いてくれるかも。
私が本物の佐為かどうか、ヒカルならすぐに分かるよね?
もうすぐだ。
もうすぐ再会出来る日がやってくる――
―END―
以上、プロローグでした〜。
佐為の生まれ変わり・楓側の様子をまずは書いてみました。
今回のアキラのライバルは最強な人がいいな〜と考え出したんですが、あかりちゃんでもまだヌルい(笑)よな…と。
もっと…もっとアキラが適わないような人!……と探した結果、『佐為』の存在を思い出しました。
ヒカルと佐為の絆は誰にも邪魔出来ないと思うんですよ!!(←ヒカアキサイトとして問題発言)
…で、こんな内容に…。
ご…ごめんなさい…。
次のFIRSTでついにヒカルと楓(佐為)が再会します。
ヒカ佐為な内容にならないよう…ちゃんとヒカアキでハッピーエンドを迎えれるよう…気をつけます(笑)
ではどうぞ〜。
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REBORN〜FIRST〜
(近日公開予定)