●RANKING おまけ●
私と京田さん、お兄ちゃんと精菜の4人で初詣に行った。
お兄ちゃんだとバレないように朝早くから出発したから、家に戻って来てもまだ朝の9時。
せっかくなので皆で打ち初めをすることにした。
(ちなみに両親は弟妹に会いにおじいちゃんちだ)
まずは私と精菜、お兄ちゃんと京田さんが打って。
次に私とお兄ちゃん、京田さんと精菜で打った。
そして最後に私と京田さん、お兄ちゃんと精菜で打ったんだけど……
私達が打ち終わった頃、お兄ちゃん達の姿はなかった――
「あれ?どこ行ったんだろ…」
「さっき2階に上がって行ってたよ。進藤君の部屋じゃないかな」
と京田さんが教えてくれる。
「ふーん…お昼ご飯どうするんだろ。ちょっと聞いて来るね」
階段を上がり、お兄ちゃんの部屋をノックしようとしたその時――
「……ぁ…ん……」
中からイヤらしい声が聞こえて私の手は止まった。
(今の声なに?!精菜の声?!一体中で何してるのー??!)
「……ぁ……っ、…ダメだよ佐為……二人がいるのに…」
「いいから…」
「ぁ…ん……」
Hな声にベッドがキシむ音まで聞こえて、私の顔はたちまち真っ赤になる。
(お兄ちゃんったら何がいいからよ?!普通にダメでしょ!)
「彩ちゃん……?」
お兄ちゃんの部屋の前で突っ立ったままの私を不思議に思ったのか、京田さんも階段を上がってくる。
近くまで来ると当然京田さんにも声は聞こえたようで、彼の顔もたちまち赤くなっていった。
彼のこんな表情を見てしまうと、私は途端にムラっと欲情する。
彼の腕を掴んで自分の部屋に引っ張って行った。
バタンとドアを閉めて、カギを閉める。
でもって「京田さん……」と彼の胸に抱き付いた。
「私達もしよ…?」
「は?!い、いやいやいや……ここでは無理だって」
「お願い…」
「絶対無理だから…っ!どうしてもしたいなら俺の部屋に行こう!」
「………うん」
京田さんが本気で拒否してるのが分かったから、私はしぶしぶ彼の胸から離れた。
一緒に部屋を後にする。
お兄ちゃんの部屋の前を通ると相変わらず精菜のイヤらしい声が聞こえた。
(私達がいるのに始めるなんて信じられない……)と毒づく。
でも、二人にはそのくらい余裕がないのかもしれない。
明日はお兄ちゃんはテレビ局で生放送のお正月特別対局がある。(相手はお父さんだ)
明後日は棋院で朝から晩まで各社分刻みでまとめて取材を受けるらしい。
明々後日は打ち初め式だ。
明々々後日はもう今年の公式戦がスタートする。
もちろん学校だって始まる。
次いつ二人きりの時間が取れるのか分からないとなると、盛り上がっちゃう気持ちは分からないでもない。
両親は夕方に帰って来る。
私も夕方まで京田さんちにいてやるか…と思った。
理解のある妹に感謝してよね!
お兄ちゃんに
『夕方まで出かけてくる』
とLINEする。
すぐに既読になり、
『ありがとう』
と返事が来たことにビックリする。
(精菜に集中してあげてよね!)
私は京田さんの手を引いて、家を出発したのだった――
―END―
このあと京田さんちで夕方までひたすらエッチした二人でした〜。
帰る時間になってお昼ご飯を食べてないことに気付いたらしいよw