●RAIBARUU●







「進どーのバカぁぁーっ!」

「何でオレに八つ当たりするんだよー」

「うう…」






先週の今週で、今日はオレがコイツのやけ酒に付き合っている。


塔矢は今日――リーグ戦の大事な一局を落とした。




「気持ち…悪い」

「おいおい大丈夫かぁ?トイレで吐いてくる?」

「外に行く…。風にあたれば良くなる…はず」

ふらふら〜と行ってしまった彼女を、慌ててお会計を済ませて追いかけた。


今にも倒れそうな足どり。

バランスを保てるように肩に手を回してやる。


「帰りたく…ない」

「まだ飲むのか?もうこの辺にしておいた方がいいって。明日も仕事だろ?」

「あそこ……入りたい」

「え?」


塔矢が指差した場所は―――ラブホ。

げ……と一瞬顔が引き攣った。


「あそこで寝る…」

「マジかよ…」


ぶっちゃけ、こんな歓楽街にあるようなラブホはろくなのがない。

というか塔矢みたいな女がラブホで寝ること自体似合わない。

サービスも行き届いた高いシティホテルにするべきだ。

確か大通りに出ればあったはず。

……なんて考えてる間に勝手に入っていってしまった。

慌てて追う。



「進ど〜、どの部屋がいい?どれもおもしろーい」

「………」

「このピンクの部屋に決めた☆」

ピッと押してしまった。


「早く〜」

とエレベーターで手招きしてくる。

はいはい…とついていった。









「はー……大きなベッド…気持ちいー…」

「寝るならスーツ脱げよ。シワになる」

「ん…」


上着とパンツスーツをポイッと床に捨てたので、拾ってハンガーにかけてやる。


「…ん?進どー、これ…なに?」

「なにって………バイブ」

「へぇ…これが」

ベッド脇に置いてあったおもちゃを興味深そうに触りだした。

「キミのより小さいね」

「なっ……」

顔が赤くなったオレをクスクスと笑ってくる。


「ね…エッチしよ」

「……」

「この前キミがしたいって言った時は付き合ってあげただろう?今日はキミが付き合う番だ」

「……分かったよ」


はぁ…と溜め息をついてオレもスーツを脱ぎだした。

下着だけになって……ベッドに上がる。

塔矢が手を広げて迎えいれてくれたので、そのまま抱き着くように覆いかぶさった。


「――…ん……」


最初から舌を絡ませる深いキス。

激しく貪りあいながらも、胸を両手で揉んで…弄っていった。


「…は……進…―」

「ん……」


乳首を吸って…舐めて、摘んで。

刺激を与える度に気持ち良さそうに声を出してくる。


「ぁ…ん……っ」


下も触ると既に濡れまくっていて、指もするする入っていった。


「ね……コレ、入れてみて」

バイブを指差してきた。

「いいのか…?」

「うん…ちょっと興味…ある」

「……」


指よりは太く、オレのよりは小さいシリコン製のそのおもちゃを…塔矢の中に入れてみた。


「……あ……」


奥まで入ったところで、スイッチを入れてみた。


「…えっ?や…っ、あ……なにこれ…っ」


目が覚めたように、さっきまでの虚ろ目がパッチリ見開く。


「や……、ぁん…っぁあ…」


揺れに敏感に反応して喘ぎまくる彼女を、オレは上からじっと観察する。


すげ……エロい。



「――あぁ…っ…」


イった…かな、と抜いてやる。

半泣きの塔矢。

オレにぎゅっと抱き着いてきた――


「やだ……こんなの…。キミの方が…いい」

「オレ…入っていい?」

「…うん…」

「生でもいい…?」

「……うん」


よし、とそのまま一気に奥まで押し込んだ――


「…ぁ…あ…っ…」


片足を肩にかけると腰が浮いて…一番奥の奥にまで届く。

おもちゃなんかに負けないぐらい激しく揺らして……出し入れしまくる。


「…ぁあ…も…う……ぁ…っ」

「ん…オレ……も」


最後はその奥の奥…の子宮?に出しまくった――






「はぁ……やっぱりキミの方が…いいね」

「はは…、だろ?」

「赤ちゃん…出来たら、責任とってね…」

「………え?」


荒れた呼吸が一気に収まって、頭が冷めた。


「僕…今日排卵日なのかも。無性にしたかったし」

「オマエ…そういう日は生で入れるの許すなよ」

「責任取るの…嫌?」

「………」

「嫌なら取らなくても別にいいけど。僕一人でも育てられるし」

「オマエな……」


はぁ……と溜め息をついて上から彼女を抱きしめた。


「分かった。いいよ…責任取って結婚でも何でもする」

「ふふ…」


彼女が嬉しそうに首の後ろに手を回してきた。



「……進藤、知ってた?僕ら、今日でセックスするの20回目」

「げ…数えてたのかよ。つか、そんなにした??オレら」

「キミ…酔っ払うといつも求めてくるくせに、朝になったら忘れてるから」

「…ごめん」

「僕の初めても酔っ払ったキミ…だった。それが20回も続いたんだ。そろそろ責任取ってくれてもいいと思わない…?」

「…確かに。ごめんな…付き合わせて」

「いいよ…大事なライバルのお願いだもの。それに僕から求めた日もあったし…」


塔矢が下からチュッと可愛いキスをしてきた。

続いてオレも……優しく啄む甘いキスを落とす。


し終わった後はいつもすぐ体を離していたオレら。

でも今日は一晩中抱きしめあって眠ってみた。





もし出来てたら……結婚…か。

でも、出来てなくてもコイツとならしてもいいかも…。

支え合える…いい夫婦になりそうだし。








数日後―――オレは結果を待たずに彼女にプロポーズした














―END―













以上、続・ちょっと大人な二人、でした〜。
あれれ?これっていつものバカップルな二人な気が…。
おかしいな…もうちょっと精神的に大人になった二人を書きたかったのに……ただの酔っ払ってヤって……出来ちゃったみたいな最低話に……ミステリー。
20回って…おいおい多すぎだよ…これでただのライバルだって言い張ってるんだからすごいよ…。
何かもう…色々とごめんなさい…(逃)