●DO-SHITSU 4●
「ん…、朝…か」
横を見ると塔矢がまだ眠っていた。
やっぱり寝顔もめちゃくちゃ可愛い。
頬にキスをしてみると――塔矢が目を覚ました―
「ん…進…藤?」
「おはよう塔矢」
「おはよう…」
まだ眠いらしく、欠伸をしながら上半身を起こした。
「今日も一日指導碁だったよな…」
「そうだぜ」
「ん…?」
塔矢が体の異変に気付いたみたいだ。
呆然と自分の体を見ている。
「―進藤…どうして僕は…裸なんだ…?」
焦りながらオレの方を見た。
「―そしてキミも…」
震えながら必死に状況を解読しようとしている。
「キミ―まさか…僕に…何かした…?」
「いや、何かしたって言うかー…」
視線を逸らして天井に目をやった。
「進藤っ!!」
「はいはいすみません!抱いちゃいました!ヤっちゃいました!」
「なっ…」
塔矢の顔が怒りを通り越して、血の気が引いていってるのが分かった。
「信じられない…」
布団に倒れ込んでしまった。
「塔矢さー、昨日のことどこまで覚えてる?」
「どこまでって…キミと碁を打ってたのは覚えてる…。で、キミがビールを買ってきて…僕も飲んで…―」
「その後は?」
「…覚えて…ない。…まさか酔った勢いで…キミと…?」
「まぁ…そういうことになるかな」
ハッキリそう言われて更に布団に突っ伏してしまった。
「最悪…」
その言葉にムッとなる。
「最悪ってなんだよ。誘ってきたのはオマエだぜ?!」
「僕が…?!まさか!」
「本当だって!いきなりヤろうって言い出してさー、オレはこれでもちょっとは拒んだんだぜ。それなのにオマエ泣き出して―」
「も、もういいよ…黙って…」
塔矢の顔が真っ青から少し赤みを取り戻した。
「それで―僕は何かキミに…言ってしまったりしてないよね?」
「何かって?」
「それはその…」
顔が更に赤くなっている。
「告白らしきもの…とか」
「あー!言った言った!大好きって抱き付いて来たぜオマエ!」
「………っ」
手で顔を覆ってしまった。
耳まで真っ赤になってるのがすき間から見える。
「なぁ、あれって本心だよな?嘘じゃないよな?」
「………」
まだ顔を覆ったまま下を向いている。
「どうなんだよ塔矢!」
覆っている手を無理やり剥して、顔をこっちに向けさした。
「…すまない…言うつもりはなかったんだ…。一生僕の心の中にとどめておくつもりだった…。なのに…僕って酔うと…」
塔矢の目が涙ぐんできた。
「もう二度とお酒なんて飲まないよ…キミも…昨日のことは忘れてくれ…」
「嫌だ!誰が忘れるもんか!」
「進藤っ!」
「オマエ何か勘違いしてねぇ?オレはお前に好かれて迷惑なんて思ってないぜ?」
「え…?」
塔矢の眼が驚いたように見開いた。
「オレ、すげー嬉しかったんだからな!オレもお前のこと好きだから!」
「え…」
塔矢の表情が徐々に緩んでくる。
「本当…に?」
「おぅ!」
「……」
嬉しそうにまた下を向いてしまった。
「あーあ、やっぱ酔った時になんてするんじゃなかったぜ。オマエ全然覚えてないんだもんなぁ…。あんなに好きって言ってやったのに」
「……」
塔矢の顔が恥ずかしそうにますます赤くなった。
やっぱ可愛い―。
「なぁなぁ、セックスはまた今度でいいからさ、もう一回だけキスしてもいい?」
「え…?」
真っ赤な顔をこっちに向けてくれた。
「いいよな…?」
徐々に顔を近付けてみる。
「…うん…」
その言葉を待って、一気に吸い付いた。
「―…ん…っ…」
あー…やっぱ柔らけぇ…。
「…もうオマエはオレのもんだからな。覚えとけよ?」
少し唇を離してそう言うと、にっこりと笑って返事をしてくれた。
「―うん…」
―そしてまた一日囲碁の生活が始まる。
オレと塔矢の新たな生活もこれからだ―。
―END―
以上、ヒカル視点の旅館de同室話でしたー。
今朝突然話を思いついて、6時間ぐらいかけて一気に書き上げてみました。
えー、何からコメントしたらいいのか…。
取りあえず私は和谷×伊角派です!(笑)伊角×和谷じゃあありません!
あんまりストーリーと関係なかったですけどね…。(しょぼーん…)
ヒカルがアキラのことを可愛い可愛い言う話が書きたかったんです…。
そしてアキラを酔わせてみたかった!(何か変な感じになりましたが…)
ちなみに隣の部屋は越智と本田さんあたりだと面白いよね。
越智「何か隣から変な声が聞こえない?」
本田「隣は確かー…進藤と塔矢か。あー…気にするだけ損だな」
越智「そうだね。進藤と塔矢なんて気にするだけ損だ」
そうそう、囲碁もそれも気にしない気にしな〜い。
でもせっかくの旅館話なのに温泉も何も出てきやしない!
ちょっとこれはいかんとですよ。
なので、温泉ネタは保留ですな。
また今度。
その前に次はホテルネタですが!
ほほほ〜