●MARRIED COUPLE 4●





アキラはどう思っているんだろう。

結婚して13年にもなるのに。

こんな週に何回も、下手したら毎日でも求めてくる夫を――




「何かあったんだろう?僕に関係あること…?」

「……オマエはさ、今のままでいいのか…?」

「……何が?」

「オレが。こんなタイトル戦の後にも部屋に押しかけて、エッチ求めてくる夫のままでいいのかよ…?」


自分で言ってて何か笑えてきた。


「いいも何も…キミはそうしたいんだろう?」

「オレはオマエの意見が聞きたいの」

「…じゃあもし僕が嫌だと言ったら、キミはやめてくれるのか?」

「え?やっぱ嫌なのか?」

「……どうだろう」


アキラもオレの背中に手を回して、ぎゅっと抱き付いてくる。


「…13年間キミと夫婦をしてきて、何かもうこれが普通になってしまったから…」

「じゃ、これからもオッケーってこと?」

「そうだね…、別に今のままでもいいかな…。急に減らされると反って不安になるよ…」

「アキラ……」



本当に?

今のままの生活でいいの?

本当の本当に?



「ヒカル…好きだよ」

アキラの方からチュッとキスされる。

「アキラ……」


オレも大好き――と直ぐ様オレもキスでお返しする。



「――…ん、…んん…っ、ん…」


歯をなぞって、舌を絡め合って、お互いの唾液が混ざる深いキスを10分以上も続ける。

もちろんその間も彼女の胸に手を伸ばして揉んでいく。

とっくの昔に固くなってるオレの下半身。

指の代わりにコイツを彼女の入口に擦り付けて、じわじわと慣らしていく。



「……は…ぁ…、…ぁ…っ…」

「アキラ……」


いい?――と耳にキスして囁く。


「ん……いいよ」


今夜も何も付けないで、生のまま中に押し込んだ。

何度も出し入れして、温かくて狭い彼女の中を堪能する。

布団の上でするセックスはベッドと違って寝具が軋む音がしない。

聞こえるのはオレらの吐息と、イヤらしい愛液の音だけだ。

あともちろん、アキラの喘ぎ声も――



「――…ぁ…んっ!…あ…ぁ…っ、ん…ぁ…っ…」

「は…ぁ…アキラ…」

「も…無理……ぁ…」

「…ん、オレ…も…」



アキラが先に中でイって、続けてオレも達する。

相変わらず気持ち良すぎるこの行為。

アキラと初めてしてからもう14年も経つけど、全然飽きない。

飽きないどころか年々性欲が増してる気がする。

体力は10代の時と比べて落ちてるはずなのに、それでも同じだけ楽しめるのは何故だろう。


それはやっぱり…相変わらずこのアキラに恋してる自分がいるからだ。

既に空気になった妻とするセックスじゃなくて、相変わらず好きで好きで堪らない奥様と愛を確かめる行為をしているからだ――



「アキラ大好き…」

「ん…僕もだよ……」

「愛してる…」

「うん…僕も…――」















翌朝チェックアウトして、オレらは一緒に家に帰った。

昼過ぎには着いたので、佐為も彩もまだ学校だ。



「ヒカル、今日も研究会あるのか?」

「そのつもりだけど?」

「じゃあ今のうちに一局打たないか?」

「いいよ」


アキラと碁盤を挟んで座る。

名人戦以来だな…と、ふと思った。

結局オレは2勝4敗で負けてしまった。

相変わらずオレの奥様は強すぎる。



「今週、僕は本因坊リーグがある」

「あ。窪田七段とだよな?」

「ああ」

「アイツ今勢いあるよなぁ〜。オマエ負けるんじゃねーの?」

「負けるわけない」

「お、やけに強気じゃん」

「次の七番勝負は絶対に僕がキミの前に座るからな。キミが名人戦でそうだったように」

「フーン。今度は上座に座って待っててやるよ」

「ああ…楽しみに待っていてくれ」



アキラと結婚出来てオレはつくづく幸せだと思う。

昼も夜もこんなに楽しめるからだ。



彼女は最愛で、最強で、最高のパートナーだ――











―END―











以上、結婚14年目に突入、31歳になったFEMALEのヒカアキ話でした〜。あ、アキラさんはまだギリ30か。
佐為が大きくなってからヒカル視点書いてないことに気づき、今回書いてみました。
きゃーほぼ布団の中だわvv(爆)
真面目なプロ試験話ばかり書いてたので、その反動が来たみたいです。
でもって因島の二人がどうしても書きたかったのです!
緒方さんの横で始めちゃう二人がvv(笑)
この緒方さん爆睡してますが、ちょっと起きてもらっても面白かったかもしれませんね。

前半は因島での話でしたが、後半は王座戦後の話でした。
伊角さんと奈瀬ちゃんと飲みに行くヒカル〜。遠慮がなくていいですよね、こういう関係。
ちなみにアキラはルームサービスで夕飯は済ましてます。ぼっち飯です。
でもきっとヒカル来るんだろうな〜と期待半分不安半分にドキドキしてる可愛いアキラさんです。

でもってアキラさんがタイトル取れたのは自分のおかげだと思ってる俺様ヒカル。
でもアキラさんも言ってましたが、確かにヒカルが欲望のままに抱き続けていたら…きっと大変な子供の数になってたかと思いますので(FEMALEのアキラさんは妊娠しやすい体だからね!)、ヒカルの我慢の協力のおかげと言えないこともないか?どうだろう?

ヒカル視点は書いててものすごーく楽しかったので、また書きたいですね!!(笑)

また作中でいいネタが出てきたら書こうかな〜w