●LARGE FAMILY V 2●


あれは確か僕が小学5年生の時。

まだ進藤にも出会ってなかった頃―――僕はたまたま見たテレビの番組で彼女の存在を知った。


第一印象は太いおばさん。

第二印象はあのマリー・アントワネットのお母さん。

とてもじゃないけど好印象とは言い難かった。


だけど次の瞬間――美人だった若かりし頃の彼女の映像が流れた。

初恋の人と結ばれて、16人もの子供に恵まれた彼女。

結婚してから夫が亡くなるまで生涯変わらなかった夫婦愛。




――素敵――




そう思った。

僕もそんな家庭を作ってみたい。

16人…は無理かもしれないけど、僕も初恋の人と結婚して、一生変わらない愛の元、その人の子供をたくさん産んでみたい。


ね、いいでしょ?

進藤――













「…アキラ…―」


そして彼女の存在を知ってから8年後。

彼女と同じ歳に、僕は見事に初恋の人と結婚することが出来た。

僕がたくさん子供が欲しいと言うと、あっさりOKしてくれた彼。

僕が身籠もるまで夜の生活も頑張ってくれる――


「―やっ、そんなとこ…舐めないで」

「気持ちよくねぇ?」

「や…っ、ぁ…」

恥ずかしさと気持ちよさに耐えられず、顔を覆ってしまった僕の手を剥いで――ヒカルが優しく頬にキスしてきた。


「…挿れるな?オレもう限界…」

「う…ん」

微かに返事をすると、すぐに中に押し込んで来た―。


「―あ…っ――」


慣らされて完全に緩くなった局部に、彼は僕が達するまで何度も激しく突き上げて来る―。


「あっ、ぁ…ん」

「―っ…」


上手いこと同時に達した僕らは、何度も唇を合わせながらその余韻を楽しみ……お互いの愛を確かめあう―。


「…ん…っ、ん――」



まだ19歳の僕らは、どんなに大一番の対局後だろうが、どんなに仕事で疲れていようが――夜は別物だ。

毎晩毎晩何回達しても…まだ足りないぐらい。

もっともっと求められたい。

もっともっと抱いて欲しい。

そしてもっともっと……中に出して欲しい。





「やっぱりちゃんと排卵日を調べて…狙った方がいいのかな」

「はは…」

まだ結婚して1ヶ月だというのに、早から不妊の心配をしてる僕にヒカルは苦笑してくる。


「焦ると余計出来ないぜ?今はエッチを純粋に楽しめばいいんだって」

「でもキミも僕も一人っ子だし、出来にくい家系なのかも…って不安になるんだ」


16人どころか…1人作るのさえ難しかったらどうしよう…―


「アキラ…」

ヒカルが僕の気持ちを落ち着かせるように――ぎゅっと抱き締めてきた。


「…んなに不安なら、明日一緒に病院行くか?」

「え…?」

「調べてもらおうぜ」

「う、うん…」



だけど翌日――不妊どころか妊娠が発覚し、以降毎年のように僕は身籠もることとなる。

目指すは16人。

僕と彼の愛があれば、それも可能な予感がする――














―END―















以上、大家族話のアキラ視点でした〜。
一体何なんでしょうね…このアキラは(笑)
書いてる私もビックリです。

さて、ちょうどリアルタイムで『マリー・アントワネット』という映画が公開中ですが、このアキラが憧れるマリア・テレジアももちろん出てくるそうです…よ。
アントワネットは15番目ということで、ヒカアキも15番目の子供には要注意です(笑)

次は新婚旅行話かしら〜。
本格的な初モノのエロエロ話が書きたい…。(死)