●KEY●
今日の合コンでオレは絶好調だった。
女子大のミス・キャンパスだという美人で綺麗なお姉さんと仲良くなれて。
アドレス交換だけでなく、一緒に会場を抜け出すことにも成功して。
二人きりで飲んだ後、思い切って
「オレの部屋、来ない?」
と誘うと
「いいよ」
と即答された。
やりぃ!と心の中でガッツポーズして、直ぐさま一緒に部屋に向かった。
が、マンションの近くまで来ると無意識に目で追ってしまう自分の部屋。
なぜか明かりが点いてる。
………まさか………
「お帰り。遅かったね」
ドアを開けた後の第一声にオレは床に撃沈した。
「塔矢……オマエ……なんで…」
「キミと打とうかと思って」
「勝手に上がるなよな…」
「何を言ってるんだ。いつでも打ちにきていいからって、合い鍵くれたのはキミじゃないか」
「来る前に一言メールか電話ぐらいしろよ」
「したよ」
「へ?」
慌てて携帯を出すと、確かに塔矢からの着信もメールもあった。
口説くのに必死で気付かなかった。
「…進藤君、もしかして彼女?」
「ええ?!違うって!ただの同僚!」
「…合い鍵渡してるのに?」
「そ…それは……」
「私、帰るね。バイバイ」
「待っ―――」
結局、五時間かけてやっと落とした美女にあっさり逃げられて、テンションが一気にガクッと下がった。
少しの悪びれもなく笑顔で
「これで心置きなく打てるな」
と言ってきた塔矢を睨む。
「オマエ…もう合い鍵没収。少しぐらい遠慮しろ」
「イ・ヤ。どうせ今の子ともいやらしいことするだけだろう?そのくらい、僕が代役してあげるから」
「………くそ」
結局オレは一局打った後に、彼女にするつもりだったことを全部塔矢にぶつけるのだった。
―END―
以上、碁の為に渡している合い鍵が仇になってフラれるヒカル君話でした〜。
実はアキラにだけでなく、和谷にも渡してたり(笑)
アキラといやらしいことしてる最中に和谷達がやってきたら面白いな〜なんて(笑)