「―――…ん…」
久しぶりのキス。
そういえばキスも三ヶ月ぶりか…?
あーもーなにやってたんだ!オレら!
どんだけ碁しかしてないんだよ!
「やっぱり…」
「ん?」
「やっぱり…キミ、キス上手いね」
「…誰かと比べてんのか?」
「だったらどうする?」
「………」
アキラの返答に、ちょっとイラッとムカッとした自分に驚いた。
…なんだ。
オレ、ちゃんとアキラのこと好きなんじゃん。
妻への独占欲、持ってんじゃん。
「アキラ…」
「ん…――」
体の隅々まで愛撫しまくって、何時間も体を重ねて、自分でも驚くほど丁寧にセックスというものをした。
もちろん夫婦だから付けてない。
子供…欲しいし。
「出来たらゴメンな」
「え…?」
「もし子供が出来たらさ、オマエしばらく囲碁休まなくちゃなんねーだろ?」
「うん…そうだね。でも早く欲しいな」
「欲しいのか?」
「もちろん」
「………」
碁より子供を取ってもいいと即答してくれたアキラに正直驚いた。
コイツって一に碁、二に碁、三・四も碁の碁が命な奴かと思ってた。
「じゃ…もう一回してもいい?」
「いいよ…」
何だかさっきから驚いてばっかだ。
これからは碁以外のこともちゃんと話しよう。
人並みにセックスもして、子供も作って……家庭を築こう。
結婚三ヶ月目の夜―――ようやくオレらは本当の夫婦になれた気がした
―END―
以上、囲碁婚話でした〜。
ヒカルとアキラの結婚って、愛情がなかったら本当に囲碁(仕事)と結婚したようなもんだよね。