●if side:怜次J 番外編●〜楓視点A〜
「塁斗君、お待たせ」
「楓…」
彩の家に遊びに行った翌々日、私は約束通り塁斗君と最寄り駅で待
「記録、お疲れ様でした」
「無事済んでよかったよ」
「ちょっとだけ中継見たよ。コマ磨いてるところアップにされてた
「え?!」
「名前もテロップ出てたよ」
「そうだったんだ…、恥ずかしくてまだ見返せてなくて」
「ふふ」
駅から歩くこと10分。
ついに塁斗君の家に到着した。
カギを開けながら彼が
「そういえば4日前に緒方君も来てくれたんだよ」
と教えてくれる。
「え?!塁斗君いつの間に緒方君とそんな親密に?!」
「別に親密じゃないけど…、何か話が合って。将棋の話しても普通
「へー」
Wデートで連絡先を交換し合った二人。
その後もマメにLINEし合っていたらしい。
もしかしたら…私以上に。
「あ、将棋も一局指したよ」
「え?!緒方君将棋も指せるの?!」
「普通に強くて驚いたよ。たぶんアマ二、三段の実力くらいあるか
「ええー…。緒方君ってどんな将棋指すの?」
「まさかの中飛車で来た」
「へー!」
塁斗君の部屋に着いた。
ドキドキしながら中に招かれて、とりあえず私は着ていたコートを
(どうしよう…、ここは将棋盤の前に座るべき?私も一局指して貰
チラリと彼のベッドを見る。
ここで毎日塁斗君が寝てるんだ…。
そしてこのベッドで今日私達は結ばれるのかな…、なんて思って
(―――え?)
いきなり塁斗君に抱き締められる。
そして
「好きだ…楓」
と耳元で囁かれる。
もちろん私も即座に「私も大好き…」と返した――
その後はもう流れるようにコトが進んだ。
長いキスの後、ベッドに押し倒されて…体を触られていった。
もちろん私は「で、電気消して欲しいな…」とちゃんと伝える。
でも電気を消したところで今は真っ昼間だ。
普通に丸見えだ。
恥ずかしがる私の気持ちを読み取ってくれたのか、彼はカーテンも
全部閉めないのは「楓をよく見たいから…」らしい。
(ひーーー///)
ゆっくりと、優しく私に触れてくる彼。
手はもちろんだけど、唇や舌までも使って愛撫される。
キスだって、付き合い始めてからのこの1年間でした合計以上を、
しかも……めっちゃイヤらしいキスまで。
舌と舌を絡め合う大人のキスだ。
「は…、塁斗…君…」
「楓…」
素っ裸にされて、彼も素っ裸になって抱き締め合うと、恥ずかしく
「…っ……」
もちろん痛かった。
でも、彩の言う通り我慢出来ないほどじゃない。
何より嬉しくて、胸がいっぱいだったから。
「楓…、好きだ…」
普段全然言ってくれない愛の言葉を何度も何度も口にされて、涙が
私だけが好きなんじゃないんだって、一方通行じゃなかった、彼に
「…ぁ…っ、…あ…んっ、…ぁ…っ」
クライマックスは恥ずかしがる余裕なんてもう無くて。
自分の口から信じられないくらいの喘ぎ声が出た。
相変わらず痛いけど、不思議とそれが気持ちよくなってきて――や
「は…ぁ…、はぁ…塁斗…君…」
「は…楓…」
既に汗だくの私達。
最後にもう一度甘いキスをした――
「今日はありがとう…」
「また連絡するな」
「うん♪」
夕方17時。
塁斗君のお母さんが帰って来る前に私はお暇することにした。
駅まで送ってくれた彼にバイバイと手を振って、私は改札を抜けた
電車の待ち時間に、私は即座に彩にLINEしてみた。
『彩ーー!!しちゃったよーー!!』
と直ぐ様報告だ。
『お疲れさま!!』
とすぐ返事が返ってくる。
『彩の言う通りだった!2回目は全然痛くなかったよ』
『え〜何回したの〜?ニマニマ』
『2回だけだよ』
そう――2回してしまったのだ。
1回目が終わってしばらく裸のままピロートークしていたら、
「楓…、もう一回いい?」
と彼がキスしてきたのだ。
(きゃーーー///もう好きにしてーーー)
『彩の言う通りだった。私も塁斗君のこと、もっともっと好き
『よかったねぇ』
彩にLINEしてる途中で、彼からもLINEが来る。
直ぐ様開けると――
『今日はありがとう。春休み中にもう一回会いたい』
と書かれてあった。
『私も会いたい』
と直ぐ様返したのは言うまでもない――
―END―
以上、細川君×楓の「これまで〜初エッチ」でした〜。
体の関係がないのに名前で呼び合ってる二人なので、小さい頃からの付き合いなのかな?と小1で出会ったことにしてみました。
研修会はともかく海王中にまで付いてくる楓ですので、細川君に気持ちがなかったら、ただのストーカーですな!(笑)
まぁ細川君も好きだからよかったですが。
にしても怜次は将棋も指せる模様です。奨励会三段に香落ちでよかったかも…って、かなりの実力ですな!きっと角落ちで指した細川君は負けたんでしょう…。
さて、最後の楓とのLINEやりとり中、実はこの時彩は怜次とベッドの中だったり。(事後です)
「楓たち、2回しちゃったんだって〜」
と横で寝てる怜次に即報告しちゃう彩です。
「ふーん…、じゃあ俺らはもう一回しておくか」
と3回目をスタートさせる怜次と彩なのでした★