●THIRD TIME LUCKEY HALLOWEEN●
「アキラ〜!明日はいよいよハロウィーンだな!」
「……」
――今日は10月30日。
研究会から帰ってくるなり、ヒカルが楽しみそうに僕に言って来た―。
「な、今年は妊娠してないよな?大丈夫だよな?」
「…してないよ。ちゃんと先週まで生理がきてたしね」
「よしっ!」
とガッツポーズするヒカル。
…そういえば去年のハロウィンの時は彩を、一昨年は佐為を身ごもってたんだっけ…。
その前のハロウィーンは付き合う前だったしな…。
「あ〜、すっげー楽しみ!名付けてハロウィーン・プレイだな!」
「………」
「はろうぃんって…なぁに?」
僕の隣りでおもちゃで遊んでいた佐為が聞いて来た。
「ん?ハロウィンっていうのはな、お菓子をもらえる日だぞ!」
「おかし?!」
途端に目を輝かせる佐為。
「いっぱい買って来てやるからな!」
「うん!」
「ダメだよ、ヒカル。虫歯になるから一つだけにして」
「「え〜〜」」
「………」
残念そうにする二人の表情がそっくりで、思わず笑いそうになってしまった。
ハロウィンは
『TORICK OR TREAT――お菓子をくれなきゃいたずらしちゃうぞ』
と言って子供がお菓子を貰う日。
元はケルト人の文化が今では世界中に広まっている。
…でもヒカルの場合はお菓子が目当てではない。
お決まりの言葉を言って、お菓子をくれない僕に悪戯するのが目的なんだ。
全く…。
去年その計画を聞かされた時には、呆れて開いた口が塞がらなかった。
どうせすることはいつものと変わらないくせに…。
ただ単に、僕に触る口実が欲しいだけなんだよね…―
「んじゃ改めましてTORICK OR TREAT〜!!」
夜10時――
子供達が寝静まった後に、ヒカルが僕の布団の上に乗り出してきて――それを口にした。
「はい」
笑顔でチョコレートの包みを差し出す僕。
途端にヒカルが口を尖らした―。
「アキラ〜…、別にくれなくていいんだって」
チョコレートを横に置いて、ゴソゴソと僕の布団にもぐり込んでくる。
「悪戯してもいい?」
「…僕が何を言おうとする気なんだろ?」
「うん!」
へへ、と可愛く笑って直ぐさま僕の口にキスしてきた。
そしていつも通りの甘くて長い夜が始まるんだ。
きっとお菓子より甘い…ね。
―END―
以上、ハロウィーン話でした〜。
短っ!
えー…ハロウィーンを口実にアキラに悪戯しちゃうヒカルはいかがでしたでしょうか(笑)
ヒカルの中ではイベント=夫婦の愛を確かめ合う日=エッチをする日、になってると思います。
誕生日・バレンタイン・クリスマスはもとより、ことあるごとに求められてアキラは大変。
そのうち反抗するのも疲れて、ただ流されてると思います。
もう勝手にしてくれ、みたいな。
はい、しちゃいます!がウチのヒカル君です(笑)
さ、ハロウィーンも終わったことですし、次のイベントはいよいよアキラの誕生日ですね!(*^
^*)