●FREE●





恋愛は自由だって言うけど、いくつかタブーは存在する。

オレは今までそのタブーに当てはまらない、まともで普通の恋愛ばかりしてきたつもり。

でも、オレのライバルは違った。

いや、たぶん違うんだと思う……



「恋愛は自由だ」

「そうだけどさぁ…」

「僕らは誰にも迷惑はかけてない」

「そうだけど…、でもっ」


塔矢アキラの交際相手を知ってしまった時、オレは何と言って彼女を止めたらいいのか分からなかった。


「親が知ったら泣くぞ?」

「だから何?」

「オマエ…一人娘なのに」

「キミって考え方が古過ぎ」

「……」

「もういい?僕これから先輩とデートなんだけど」


塔矢の付き合ってる『先輩』。

彼女が中1の時、囲碁部の部長だった先輩だ。

え?違う違う、岸本じゃないって!

部長は部長でも女子囲碁部の部長―――日高先輩だ。

―――そう、女だ。

でもって塔矢も正真正銘の女だ。

つまりレズって言うか百合って言うか同性愛って言うか……うわああぁぁ!!!

もうオレどうすりゃいいんだよ??!



「…いつから付き合ってるんだっけ?」

「またその話?」

「いいから教えろよ」


今日も打つのを建前に、塔矢を説得する為彼女の家にやってきた。

少し恥ずかしそうに、でも嬉しそうに、彼女が思い出を語り始めた。


「一昨年にイベントで再会したんだ。まだ先輩が趣味で碁を続けてくれてるって聞いて嬉しかった。それからよく連絡しあうようになって…」

「ふーん」

「告白されたのは去年なんだ。最初はもちろん戸惑ったんだけど、先輩ならいいかなって…」

「あ、そう」

「先輩は今まで僕が出会ったどの男より格好いいよ。キミもそう思わない?」


…思わねーよ。


「なぁ、聞いてもいい?」

「どうぞ?」

「女と女の場合ってさー、アレってどうやってるんだよ?」

「アレ?」

「男同士の場合はケツの穴を代用するんだろ?じゃあ女同士の場合は?」

「…下世話な。これだから男は…」

「だって気になるじゃん。それとも何か?一年も付き合ってるくせにまだ清い関係?」

「もちろん…してるよ」

「どんな風に?」

「どんな風にって……普通に」

「そのフツーが分かんねーから聞いてるんじゃん!」


実際、ちょっと興味があった。

といっても、挿れる以外は普通の男女とそう変わらないんだろうけど。

でも、じゃあその挿れる行為は?

一体どうしてるんだ??


「もしかして指だけ?それで満足するんだ?」

「そりゃあ…代用してるけど」

「バイブとか?」

「…まぁ、そうだね。色々…」


色々??


「え〜、どんなの使ってんだよ。見せろよ。オマエも持ってるんだろ?」

「い、嫌に決まってるだろうっ」

「いいじゃん。見せてくれなきゃ先生や明子さんにオマエがレズだってバラすからな!」

「ひ…卑怯者っ!!」

「卑怯で結構♪」


嫌がる塔矢を無理矢理部屋に引っ張って行った。

ほら、どこに隠してんだよ。

大人しく出せよ。


「…キミだって彼女とする時使ってるんじゃないのか?」

「使わねーよ。…まぁ、ラブホに置いてあった時は、ちょっと遊んじまうけど」


渋々嫌々塔矢が出してきた。

「僕はそんなに持ってないんだけど…」

とか吐かしてたけど、オレにとっては十分多かった。

すげぇ…。

軽くカルチャーショック。


「もういいよね?片付けるよ」

「ま、待てよ。せっかくだから勉強させて♪」

「……は?」

「これとかどう使うんだよ?実際に使って教えてよアキラちゃん♪」

「は…はぁ??」


もちろん、使い方なんて感覚で分かる。

そっち系のAV借りたら、わんさか出てくるし?

でも、実際使ったことはないし…彼女になんか絶対試せないじゃん?


「バラされたくないんだろ?」

「そ、そんなにバラしたいのなら、もうバラせばいいだろう!」

「あ、開き直った。ふーん、いいんだ?こういう玩具でオマエが悦んでるって、バラしてもいいんだ?」

「え…っ」


先輩との関係はバラされても、さすがにこればバラされたくなかったみたい。

塔矢は大人しく服のボタンに手を伸ばしていた。

オレも脱いでみる。


「な、なんでキミまで…っ」

「え?だって使い方教えてくれるんだろ?お互い裸の方がムード出るじゃん。恋人みたいで」

「………」


オレの体を見た塔矢の顔が、たちまち赤くなっていった。

ふふん、オレ知ってるんだぜ。

オマエって先輩と付き合うまで誰とも付き合ってなかっただろ?

つまり、女の体しか知らないわけだ。

つまり、男の体を見るのは初めて。


「とーや♪」


後ろから抱きしめて、そのまま床に腰を降ろした。

適当に玩具を一つとって、スイッチ・オン。

震え出した棒を彼女の胸にあてた。


「…んっ」

「感じる?」

「…ぁ…っ…」


塔矢の首筋に舌もはわした。

玩具を持ってる手とは反対の手で、彼女のアソコもそうっと撫でる。


「…ゃっ、進っ…」

「すっげぇ濡れてる。オマエって感じやすいんだ?」

「そんなこと…っ」


震える玩具を、今度は彼女の下半身に移動させた。

入口の周りをそれで攻めてみると、もう泉並に溢れてくる。


「あぁ…っ…」


少しだけ、中にも入れてみた。

ほんの5cmくらいだけ。


「は…ぅ…っ」

「気持ちいい?」

「も……、やめ…」

「ん?もっと太いのがいいって?仕方ないなぁ」


今度は極太のバイブを手に取った。

入口に押し付ける。


「ぁ…ぅ…」

「オマエってさぁ、こんな玩具で処女喪失したのか?何か悲しくねぇ?」

「別…に。女同士だから…仕方ない…し」

「一生女だけでいいのか?本当は男にも興味あるんだろ?」


大きくなった自分の下半身を、彼女の腰に擦り付けた。


「偽物より絶対本物の方が気持ちいいと思うぜ?試してみようか」

「え…?ちょっ…、やだ…」


塔矢の腰を持ち上げて、後ろから自分のものを彼女の秘部にあてた。


「進藤っ…!やめて…っ、これは浮気だ…!僕もっ、キミも…!」

「オマエがノーマルに戻ってくれるなら別にいい、彼女と別れることになっても」

「僕は…っ、嫌…ぁ…っ」


ズッっと、中に自分のものを差し込んだ。

塔矢がブンブン頭を振ってくる。


「い…や…っ、は…っ…ぁ…ん…」

「気持ちいいだろ?」

「進…ど……」


少しずつ動いて、中の感じを探っていった。

まだ玩具しか受け入れたことのない彼女の膣。

初めて本物の男を受け入れて、まるで喜んでるかのようにオレに吸い付いてきた。


「きゃ…っ」


彼女の体を反転させて、繋がったままで体位変更。

正常位になると塔矢の顔が丸見えだ。


「塔矢…可愛いよ」


チュッと頬にキスしてみた。


「進藤…」

「玩具とどっちがいい?」

「……聞くな」


観念した塔矢は、男とのエッチの快楽に素直に浸り出した。

彼女の目尻から涙が零れている。



「…確かに恋愛は自由だと思うよ。男を好きになろうが女を好きになろうが勝手だ」

「……」

「でもオマエは本当に今のままでいいと思ってるのか?どうせいつか別れるつもりなんだろ?自分の為だけでなく…先輩の為にも。…早い方がいいと思うぜ?」

「……」


コクン。

塔矢が頷いてくれた。

オマエってホント、真面目でいい子よな!


「…よし、じゃあそろそろ仕上げといきますか♪」

「え…?」

「塔矢、セックスってそもそも何の為にやるんだと思う?」

「え…そりゃあ…」

「うん、子供を作る為だよな。んじゃ気持ちのいい子作り、してみますか♪」

「え?!ちょっ…、待っ―――」


碁と一緒で持久力だけは人一倍あるオレ。

塔矢を男の体の虜にするには時間はかからなかった。

もう女で満足なんか出来ないだろう。




「先輩…っ、別れて下さい…っ」


意地悪なオレは、エッチの最中で先輩に電話をかけさせた。

もちろん後で

「キミも今すぐ彼女にかけろ〜〜!!」

と塔矢が怒ったのは言うまでもない話―――








―END―








はい、ごめんなさい。すみません。
(とりあえず謝っておく)
最近あんまりエロらしいエロを書いてなかったので…つい(笑)痛たたたー><
アキラさんをレズ設定にしちゃったのはもう…コメントのしようがないです、はい。
でもアキラさんは本当は別にレズじゃないと思います。日高先輩が格好良すぎただけです、きっと。
関係ないけど、ヒカ子とアキラ子で百合設定にも萌えるよね…(いい加減にしろ)