●FORE BUTTOCKS 2●


塔矢が真っ赤なままの顔を上げてきた。

でも…なんか……睨まれてる?


「ご、ごめん。嫌なら嫌って言ってくれていいんだぜ?オレだってダメ元でちょっと言ってみただけなんだし。そりゃあ…オマエが許してくれるなら触りまくっちゃうけどさー」

「…それで?」

「は?それでって…?」

「それで、キミに触らせて何か僕にメリットがあるのか?」

「め、メリット?」

「例えば……胸が小さくなるとか」

「いや、それはないな。反対に大きくはなるかもしれねぇけど…」

「最悪じゃないか…。絶対に御免だ」

「えぇ??!ちょっと待ってな、メリット…メリット……うーん」


塔矢側にメリット…。

女側にメリット…。

何かあるかな…?


「んー…あえて言うならー…気持ちよくなれる…かな?」

「は?」

「ほら、胸って性感帯の一つだし、もうその気になっちまうぐらい気持ちよくなれるらしいぜ?何ならそのまま最後までやっちゃう?」

「ふざけるな…」

「べ、別にふざけてなんかねぇんだけど…」


だって…他にメリットなんか思い付かねぇし…。


「じゃ、じゃあこういうのは?もし揉ませてくれたらさ、明日の和谷んとこの研究会パスしてオマエと一日中打ってやるよ」

「本当?いいのか?」

「おぅ!研究会以上にオマエの胸は価値があるからな」

「それあんまり嬉しくない…。どうせなら僕との対局の方が価値があるって言って欲しい…」

「もちろんそれもあるよ。でも向こうの研究会と胸を天秤にかけたら、間違いなく今のオレなら胸を取る」

「キミって変…」

「変じゃねぇよ!年齢的にはこれが普通の反応なの!」


そうかなぁ…?と頭を捻る塔矢は放っておいて、取りあえず見つからないように部屋の鍵をかけて、外からも見えないようカーテンを閉めた。

(ちなみにここはオレの部屋だ)

そのせいで少し暗くなってしまったので、代わりに電気を点けてみる。


「そこまでする必要ないんじゃないのか?変に緊張するんだけど…」

「オレも…」

でもそのまま再び塔矢の前に座り、邪魔な碁盤を横に除けた。

その分更に近寄ってみる。


「……いい?」

「いいけど…」

恐る恐る手を伸ばして、そっとその膨らみにタッチしてみた。

途端に塔矢の顔が強張る。


「そういえば僕…覚えてる限りでは男の人に触られるのって初めてだ…」

「オレも初めてかも…。女の胸に触るの…。すげぇ柔らかいな…」

少し掴んでみると、その柔らかさに指が埋まった。

塔矢の顔が徐々に赤くなってきたので、ちょっと楽しくなって更に揉んでみる。

「ちょっ…、やだ…っ―」

「すげ…」

うわー…この柔らかさ反則的…。


……でも、ブラジャーしてるからかな?

ワイヤーで固定されてて動かしにくいっていうか…、その上あんまり温さも感じない。


「…な、直に触ってもいい?」

「え?!」

まるで濁点が付きそうなくらい嫌な声で返された。


「直にって…僕の胸を見る気か?!」

「当たり前じゃん!捲って触ったらまるで医者が聴診器あてる時みたいだし」

「嫌に決まってるだろ!進藤のエッチ!スケベ!」

「エッチでスケベじゃなかったら男じゃねぇよ!ちょっとくらいいいじゃん!減るもんじゃねーし!……あ、オマエは減ってほしいんだっけ?」

「知らない!もう僕帰る!」

「ま、待てって!」

立ち上がろうとした塔矢の腕を即座に掴んで阻止した。


「今帰ったら明日は研究会に行くからな!」

「卑怯だぞ!僕はちゃんと触らせたのに!」

「あんなの触ったうちに入んねぇよ!ブラジャーが邪魔して全然分かんなかったし!」

「……くそっ」

「あ!待って!」

塔矢が怒りに任せて一気に上服を脱ごうとしたので慌てて止めに入った。


「塔矢、オレに脱がさせて?」

「は?何で…?」

「いいから。これも男の理想の一つなんだよ」

「ふーん…」

またしても首を捻ってくる。

でもお構いなしに塔矢の服を丁寧に腕を通して脱がしていった。

ブラジャーだけになった上半身は思わず鼻血が出そうなぐらい見事なボリュームだ。

恐る恐る後ろのホックにも手を掛け…全てを丸裸にしてみる―。


「すげぇ…何かエロ本見てる気分…」

「失礼だなキミは!僕をあんなのと一緒にするな!」

「ご、ごめん。予想以上にデカかったから…」

「早く触れば?」

「うん…」


ゴクリと唾を飲み込んで、ゆっくりと再び手を伸ばした。


「うわ…」

すげぇ…。

マジすげぇ…。

すげぇとしか言い様がない。

なにこの柔らかさ…。

気持ちいい…―



「……ぁ…―」




え…?













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