CHRISTMAS おまけ3●〜京田視点〜





もともと名人戦が終わったら、彩ちゃんにプロポーズするつもりだった。

後はどういうシチュエーションにするか悩んでたわけだけど、彩ちゃんがリビングに置いていったホテルのクリスマスプランのチラシを見て、それも決まった。

そしてクリスマスイブにプロポーズに成功し、その晩をホテルで過ごした俺ら。

更に進藤先生にも無事結婚の許可を貰えて、自分の家族にも彩ちゃんを紹介して。

そして15日の今日、一緒に区役所に婚姻届を提出し、俺らは正式に夫婦となった――

 

 


3月までお世話になります♪」

「こちらこそ。よろしく」


新居のマンションが完成するのが3月の為、それまで今俺が住んでるマンションで彩ちゃんと暮らすことになった。

今日から。

つまり今夜は――初夜だ。

俺は今夜、この5年と8ヶ月間……交際を始めてからずっと思ってたことを彼女に打ち明けるつもりだ。

 


「は〜やっと片付いた。あんまり荷物持ってこなかったけど、結構時間かかるもんだね」

「そうだな…」


お互い風呂にも入って、既にパジャマ姿だ。

彩ちゃんがベッドで携帯を触ってた俺の傍にやってくる。


「京田さん…、今夜は初夜だねぇ…」


彩ちゃんもベッドに上がって、意味深な言い方をしてきた。

もちろん今すぐ押し倒して初夜を楽しみたい気持ちは山々だけど。

でもその前に、俺はついに打ち明けた。


「…あのさ、今後の呼び方なんだけど」

「あ、そうだよね。いつまでも京田さんじゃおかしいよね」

「うん…」

「じゃあ今後は昭彦さんって呼んでいい?」

「いいよ」

「じゃあ昭彦さんは…、私のこと何て呼んでくれるの?彩ちゃんのまま?」


この58ヶ月、進藤先生に遠慮してずっと呼べなかった。

俺はずっとこう呼びたかったんだ――


「彩……って呼んでもいい?」

「もっちろん!私もずっとそう呼んで欲しかったんだから♪」


彩ちゃんが…いや、彩が嬉しそうに俺に抱き着いてくる。

俺も抱き締め返す。


「彩…、これからよろしくな。一緒にいい家庭を築いていこう」

「うん…昭彦さん、一緒に幸せになろうね」



15
歳の時、初めて彩と出会ってから11年。

俺らはついに夫婦になった。

何でも相談し合える、温かい家庭を築いていければと思う――

 

 


END

 

 

 

以上、ずーーーっと彩と呼び捨てにしたかった京田さんが、ついに叶えた瞬間のお話でした〜(笑)
ヒカルに遠慮してずっと呼べなかったのです。
でも付き合い始めた直後から携帯の登録は『彩』でしたからね!(密かな抵抗)
でもおそらく今後もヒカルの前じゃ、ちゃん付けで呼んでると思います。
とりあえずは二人きりの時限定で(笑)徐々に広げていく感じで。

きっとこの晩は朝方までイチャイチャしたものと思われます!新婚だからね!しかも初夜だからね!