CHRISTMAS おまけ2●〜佐為視点〜





「ただいま」



実家から家に帰ると、奥から精菜がにこやかに玄関にやって来た。


「お帰りなさい、上手くいったみたいね」

「うん。彩から聞いた?」

「うん。速攻連絡来た」


このクリスマスに京田さんは彩にプロポーズし、二人は晴れて婚約した。

すぐにでも籍を入れたい二人(特に彩)の一番の壁はもちろん、父が結婚を許すかどうかだったわけだけど……


「ちょっと間があったけど、何とか許してたよ」

「よかった。これで彩もようやく結婚出来るね。明日には向こうのご両親にも挨拶に行くみたいだよ」

「そっか」



精菜と一緒にリビングに戻り、ソファーに並んで座った。

僕は直ぐさま彼女のお腹に優しく触れる。


「お、動いた」

「ふふ、元気いっぱいだよ」


もう8ヶ月になる精菜のお腹。

予定日まであと1ヶ月半、あと半月もすれば正産期に入る。


「名前どうしようか?」

「んー…、私が両親から1文字ずつ貰ってるから、この子もそんな感じがいいかな…」

「じゃあ…、佐為と精菜だから…」

 


「「佐菜」」

 

二人で同時にハモってしまい、僕達は思わず笑ってしまった。

進藤佐菜。

うん、可愛い名前だ。

きっと名前に負けないくらい可愛い子が生まれてくるだろう。


「早く会いたいね、佐為」

「うん…楽しみだ」


お腹の上で手を重ねた僕ら。

同時にキスをして僕らは唇も重ねたのだった――

 

 

 

 

 



年が明けて15日、棋院で恒例の打ち初め式が行われた。


「おめでとうございます」

と僕も両親も会う人会う人から挨拶される。

もちろん「明けましておめでとうございます」の意味もあるのだろうが、今日だけはもう一つ意味がある。

それはもちろん、今朝9時に棋院のホームページで発表されたからだ。

 


『京田昭彦八段(26歳)と進藤彩五段(21歳)の両名より、結婚の報告が参りましたのでご連絡させていただきます。

尚、進藤五段は結婚後も進藤彩のまま活動いたします。

よろしくお願いいたします。


<コメント

私事ですが、本日入籍いたしました。

これからも二人で支え合い、楽しく幸せな家庭を築いていきたいと思います。

今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。

京田昭彦 進藤彩』

 

 



おめでとう彩、京田さん――

 

 


END

 

 

 

以上、結婚の挨拶後の佐為視点でした〜。
佐菜ちゃんの名前が決まった瞬間の一コマも入れてみました!

最後のやつは、おそらく読んだ瞬間ショックを受ける人多発でしょうな!山名女流、柏木女流を筆頭に(笑)
京田さんも彩も人気あるからねー。
二人の関係を知っててもやっぱりショックというか…なんというか…ね。