●CHILDFOOD FRIENDU 2●
「…今何ヶ月?」
「え?あ…ちょうど8ヶ月です」
「何人目?」
「二人目です。今度は女の子らしくて…」
嬉しそうにお腹を撫でた私を見て、塔矢さんが微笑んでくる―。
「藤崎さん似の女の子だったらいいね。すごく可愛い子になりそう」
「でも息子も私似で…、将来童顔になりそうって心配してるんです」
「はは」
「塔矢さんは…今日はお祝いを買いに来たんですか?」
「…だといいんだけど」
塔矢さんが眉を傾けて小さな溜め息を吐いた。
自然とお腹に目が行く―。
「え……もしかして…?」
「うん…5ヶ月目」
「おめでとう…ございます」
「…ありがとう」
「ヒカル…喜んだでしょ?」
「そうだね…。でも僕としては二人で充分だったんだけど…ヒカルが欲しいって言うから…。全くあの夫はすぐに周りに影響されるんだから。やっと佐為や彩の手がかからなくなってきたっていうのに、また一からやり直しじゃないか!いいよね、男は。こっちは悪阻が酷くてお腹で育てるのも一苦労だし、産むのなんて死に物狂いなんだぞ。しばらく手合いも休まなきゃならないし、また他の仕事は出来なくなるし…」
永遠と続く塔矢さんの愚痴に、思わず目を見開いてポカンとしてしまった。
「あ、あの、大変ですね…。ヒカルってちょっと目茶苦茶な所があるから…」
「分かってくれる?!さすがは幼馴染み!」
「え?え?」
「聞いてよ!それでね、ヒカルって――」
「あ、あの…私そろそろ保育所に迎えに…」
「ああ…もうそんな時間?じゃあ僕も一緒に行くよ」
「え?」
「どこの保育所?車で来たから送っていってあげる」
「あ…ありがとう…」
そのまま引きずられるかのように一緒に保育所に息子を迎えにいき、そのまま私の家に来て、永遠とヒカルについて文句をいう塔矢さん。
忘れてた…。
塔矢さんてあのヒカルが振り回されるぐらいの行動力と積極性を持ち合わせた人だったんだ…。
私が敵うわけないよぅ。
――それでも
今の私にはヒカルのことを話せる友達なんて周りにいないから…ちょっと嬉しかったり。
塔矢さんとこんなに打ち解けて話す事も…すごく新鮮な感じ。
そしてヒカルが出張から帰ってくる頃にはすっかり私達はお茶飲み友達になっていて、その様子を見たヒカルが驚いたのも無理はない話。
塔矢さんの話を聞く限りではヒカルとの結婚生活も色々大変そうで、私が夫との結婚生活に満足するのも時間の問題だった。
ね、ヒカル。
私は今すっごく幸せだよ。
ヒカルも塔矢さんの気持ちもちゃんと考えてあげなきゃダメだよ?
いい夫になってあげてね――
―END―
以上、CHILDFOOD FRIENDの10年後でした〜。
幸せな家庭を手に入れたあかり嬢。
まだヒカルが好きなご様子…です。
でもねー、ヒカルとの結婚生活も大変なんですよ?!ってあかりちゃんに知ってほしかったので、こんな感じに書いてみました(笑)
でもこれを機に、進藤家と藤崎家(旧姓)の交流は深まってゆくのです★
アキラもアキラで、昔はそれなりにあかりちゃんにやきもち焼いてましたが、結婚12年もなると余裕が出てくるんでしょうかねー(笑)