●My BROTHER, My SISTER 24●
「まさか進藤が一番にゴールインしちまうとはな。しかも塔矢と!おまけに子供付き!」
「へへ〜羨ましいだろ〜♪」
今日は待ちに待ったオレとアキラの結婚式。
参列しに来てくれた棋士仲間に、オレは思いっきり惚気ていた。
「やっぱり付き合ってたんじゃん!」
と和谷。
「幸せにな」
と伊角さん。
「俺も彼女欲しい…」
と本田さん。
「入口の両家の案内板、塔矢の方も進藤家になってたけど、間違い?」
と越智。
「子供生まれたら抱かせてな♪」
と社。
まだ全員独身だ。
へっへー、オレが一番乗り♪
「皆注目ー!」
奈瀬の声に全員が入口に顔を向けると、ウェディングドレスを着たアキラが引っ張られてきていた。
おお…
「ほら、新郎!一言言ってやれよ!」
と何人かに押される。
「どう…かな?」
「うん…すっげー綺麗!!」
「お腹目立ってない?ブーケで隠れるかな…」
「いいじゃん、隠さなくても。オレとオマエの愛の結晶だぜ?逆に見せ付けてやろうぜ!」
「キミって本当能天気…」
もう6ヶ月目に入ったアキラの腹。
確かにちょっと目立つけど、オレにとっては恥ずかしいことでもなんでもない。
順調に育ってくれてることが嬉しい。
今の幸せを噛み締めることが出来る。
「アキラさん、ヒカルさん。おめでとう」
父さんと明子さんも顔を見せに来てくれた。
明子さんの腕の中にはもうすぐ三ヶ月になる妹も。
アキラ似ですっげー可愛くて、見てるだけで顔がにやけてくるんだ。
「女の子っていいよな〜♪」
「…どうせ男の子ですよーだ」
先日分かったばかりの性別。
アキラがムッと顔をしかめてきた。
「男でも女でも、オレ的にはアキラ似だったらオールOKだから♪」
「ふん、案外キミ似かもよ。あーあ、将来この子に泣かされる女の子が可哀相だ」
「何だよそれぇ…」
オレらの会話を聞いて、明子さんがくすくす笑っていた。
「アキラ、進藤君」
「お父さん…!」
続いてやって来たのは塔矢先生。
今日のアキラのバージンロード・エスコート役だ。
「本当に私でよかったのかね?進藤さんの方が似合ってるような気がするのだが…」
「僕はお父さんの娘ですから」
「アキラ…」
ちなみに、久しぶりに顔を合わせた先生と明子さんも、父さんを交えて普通に楽しそうに話していた。
実はアキラがこっそり教えてくれたんだけど、明子さんの離婚の決め手はやっぱりオレの母さんの死…だったらしい。
明子さんは別れた後もずっと父さんの妻の座を狙っていたのかもしれない。
女って凄い。
女って恐い。
オレも気をつけよう……
「時間になりました」
時間通りにオレとアキラの結婚式はスタートした。
オルガンの音に合わせて入場してくる新婦の顔は、ベールに隠れててよく見えない。
神様の前、そして皆の前でお互いを幸せにすると誓って、指輪交換。
その後でようやく解禁になる新婦の顔。
少し…涙が滲んでいた。
「アキラ…」
「…嬉しくて、つい…」
「うん…オレも嬉しい。大好きなアキラと夫婦になれて…」
チュッと誓いのキスを交わした。
式の後は教会前の庭でガーデン・パーティー。
アキラとオレは写真攻めにあっていた。
もちろん集合写真も撮った。
でも、一人だけ重要な人が写っていない。
オレの…母さんだ。
オレのこの晴れの日の姿…見せてやりたかったな。
ついでに孫の顔も…。
母さんは自分の結婚式の時、どんな気持ちだったんだろう?
たった一晩過ごしただけの人と結婚することになって…不安とかなかったのかな?
もちろんあったよな?
オレだって不安だもん。
皆の前で誓ったものの、本当にこれからアキラを幸せに出来るのか。
子供もちゃんと育て上げることが出来るのか。
すっげー不安。
「進藤?どうかした?空ばっか見て…」
「ううん…、今頃母さん…天国で見てくれてるのかなぁ…って、ちょっと思ってさ」
「…見てくれてるよ。きっと…祝ってくれてる」
「そうかなぁ…」
「でも、きっと心配してるね。進藤のお母さんってそういう人だろう?進藤のことを誰よりも考えてくれて…心配してくれて」
「うん…」
「僕たちもそういう親になろう?子供のことを誰より想ってあげようよ」
「……オレより?」
「…バカ」
アキラがオレより子供を優先したら嫌だなぁ…なんて思ってしまうオレは、きっとまだまだ子供なんだと思う。
実際、子供だし。
まだ21だし。
でも、もうすぐ一人の親になるんだ…。
「キミがいてこその子供だから。それを忘れないで」
「うん…そうだな。オマエいてこその子供だ」
今までの人生より、これからの人生の方が遥かに長い。
アキラと一緒になれてよかったと思う。
すごくそう思う。
子育てだって、仕事だって、アキラと一緒ならもう恐いもの知らずだ。
「幸せになろうな」
「キミと一生いられれば…それだけで僕は幸せだよ」
「オレも♪」
親の恋愛は必ずしも子供に影響する。
オレらの恋はきっと子供の手本となるだろう―――
―END―
以上、ヒカアキ兄妹物語でした〜!
い…いかがでしたでしょうか??ドキドキ…
なんか久しぶりにとんでもない話を書いてしまった感があるのですが…(笑)
とりあえずアキラの両親の離婚と、美津子さんの死に関してはお許しを…!
こうでもしないと、二人を無理なく(いやいや、十分無理あるだろう)しかも血が繋がってない状態で兄妹にすることが出来なかったのです…!><
血が繋がっていない…というのは重要なポイントです。
ヒカアキの結婚出来る・出来ないに関わってきますからね!
連れ子同士の結婚…、ああ…萌えるわ〜(笑)という思い一心で、今回は書き始めてみました〜。
途中の二人のラブラブエロエロぶりは…もうどうしましょうかね(笑)
付き合い出すと見境なくしまくるのがウチの二人なのです!
ところでポリネシアン・セックス。意味分かりました?(笑)
南国の人って夜が長いじゃないですか?仕事も早く終わるし?子作りしかすることがない?みたいな?(←偏見)
だからゆっく〜り、ものすご〜くエッチに時間をかけるそうなんですよ。
まずはお互いの体温が同じになるまで抱き締めあうことから始めるそうです。
ま、そんなゆっくり我慢セックスはヒカルには無理ってことですよ(笑)ふふv
後半のドロドロ〜はもうもうもう…ごめんなさい><
実は私、今年の始めに放送されてた『宿命』っていうドラマが大好きで…(笑)ついつい同じ展開にしちゃいました〜。
明子さんと正夫さんのLOVEは書いててちょっと楽しかったです(爆)
というか正夫パパをこんなに書いたの初めてだ…!
まぁ…ヒカルのパパなのでこんな感じかな〜?と思うのですが。浮気もしちゃう…よ。それもヒカルママ…と(ごめんなさいごめんなさいごめんなさーい!! 逃)
きっと美津子さんは密かに正夫さんが好きだったのですよ。でも彼女持ちでしょ?だからこうするしかなかったの…!!
一方、彼氏に捨てられた明子さん。アキラさんが正夫さんの子供だと勘違いしてる彼女にとって、きっと行洋さんにずっと黙ってるのは辛かっただろうなぁ…と思います。
だからもう一人欲しいの、と行洋さんに言ってたんじゃないのかな?
明子さんも明子さんでそれなりに行洋さんを愛していたので、ちゃんと彼の子供を産んであげたい…!と。
血液型で普通気づかないか?ってな気もしますが、正夫さんが実は自分の血液型を知らなかったのかもしれませんね。
親が両方Bだから俺もBだろう、と。でも実はOでした〜みたいな?
血液型を調べるのは任意ですからねー。病気になるか、献血にでも行かないと特に必要もないし。
それにしても明子さんの性格がちょっと…いつもと変わりすぎですね(汗)
恋愛が絡むと女は恐いってことですかねー?
ま、とりあえず何だかんだでヒカアキは無事結婚することが出来ましたv
結婚後は子供が保育所入るまではそのまま実家暮らしかな?
末永くお幸せにvv