●AGAIN 10●




二度目の北斗杯が始まった。



永夏率いる韓国チーム。

楼高率いる中国チーム。

そして僕ら日本チームだ。


相変わらず仲の悪い永夏と進藤。

彼らの大将戦はわずかの差で進藤が勝利した。

チーム的には全てのチームが一勝一敗の引き分け。


選手だけのプチ打ち上げでは、永夏は仕返しとばかりに僕に絡んでくる――



『へー、塔矢北京に留学するんだ』

『うん。一年ぐらい向こうで勉強してくるよ』

『ふーん。俺も行こうかな』


韓国語で話す僕らの会話を、進藤に同時通訳するのはもちろん秀英。

永夏も留学と聞いて、進藤が僕と永夏の間を割ってきた――


「留学するしないはお前の勝手だけどさ、塔矢にちょっかい出したら許さねーからな」

『進藤に言われる筋合いはない。彼氏でもないくせに』

「今は違うけど、いずれはそうなるんだって。もう予約済みだから近付くんじゃねーぞ!」


堂々とオレのもの宣言してくる進藤に、永夏に通訳しながら僕は真っ赤になってしまった。


『予約済みって意味不明だな。さっさと付き合えばいいのに』

「今はまだオレがガキだからダメなんだって。でも塔矢が帰ってくる頃にはすっげーいい男になってる予定だから」

『進藤って馬鹿?』

「馬鹿じゃねーよ!な?!塔矢!」

「うん…」

「早く帰ってこいよ!こなかったら迎えに行くからな!」

「うん――」


次第にラブラブモードになっていく僕ら。

今夜は残された僅かな時間のお楽しみ。


明日…僕は母と一緒に北京に向かう。

先に戻った父のもとへ――












「寝たくねぇ…」


打ち上げの後、ホテルの部屋に戻ってきた僕ら。

隣の部屋のはずの進藤は、僕のベッドに寝そべったまま動こうとしない。


「起きたら…オマエがいなくなっちまうもん」

「まだ言ってる…。待っててくれるんだろ?」

「そうだけどさぁ…」

「寂しいのはキミだけじゃない」

「そうだけど…」


ベッドの方から物欲しそうに僕を見てくる彼。

お風呂あがりで既に浴衣姿の僕はどうも落ち着かない。


「し…進藤、僕もう寝るんだけど」

「寝れば?」

「キミが退いてくれないとっ」

「やだ。最後ぐらい一緒に寝る」

「一緒に…って――」


それってつまり………そういうこと?


「何も…しないから」


あれ?

しないんだ?


ちょっと内心がっかりした自分に赤面した。


「…というか、出来ないよな。隣は社の部屋だしさ、この階関係者で埋まってるし…」

「うん…そうだね」

「それにオレ、今度はちゃんと付き合った上でしたいんだ」

「進藤…」

「だから、今はこれで我慢する」


そう言って僕の手を引っ張って、バランスを崩した僕を――ベッドの上で受け止めてきた。

最初はチュッと優しくキスをして――徐々に深くて激しいキスをしてくる――


「―んっ…ん、ん…――」


本当に一晩中、僕を抱きしめたままで眠った進藤。

密着してたからキミの下半身の変化にももちろん気付いた。

苦しいよね?

でも……嬉しいよ。

一年で帰ってくるから、それまで待っててね?

僕も成長してくる。

いい女になってくる。

ね、進藤。

僕…女に生まれてよかったって今初めて思ったよ。


キミと恋人になれるから――


キミと結婚も出来るから――


キミの子供も産めるから――











「行ってきます」
















――END――
















以上、レイプ話でした〜。
無理やりした後からアキラが気になりだすヒカルってのもいいんじゃない?と思って書いてみました。
でも微妙〜に中途半端です。
そうです、続きます。
帰国後の17歳編に続きます。
本当にヒカルがフリーのまま一年待ってくれるのか??
また、アキラが一年以上留学した本当の目的は??
という内容かと〜。
ではどうぞー。












AGAIN +