●AFTER SCHOOL DATE 〜side:精菜〜●





私と佐為、彩と京田さんの放課後Wデート。

宿題を終えた後、「打とうか」とマグ碁を広げられる。


(えー…せっかくの放課後デートなのにー…)


こんなところでも打つの〜?とちょっとガッカリ。

佐為ってばホント碁バカなんだから……と呆れながら打ち始めた。


でもすぐにそんなガッカリな気持ちはどこかに消え失せた。

それはもちろん、佐為が私の手を握って来たからだ。

握ったままだと右手の使えない彼は、左手で石を貼り付け出した。

上手いことテーブルで死角になっていて、恐らく他の客からは私達の手繋ぎは見えない。

ドキドキした。

そして嬉しかった。

プロになって顔バレして全国的に有名になってしまった彼と、外でこんな風に手を繋ぐことなんて久しくなかったからだ。

このまま時間が止まればいいのに、とすら思った。




(…ん…?)


でもしばらくすると、彼の手が変な動きをし出した。

掌を撫でたり甲を撫でたり、ちょっとだけイヤらしい触り方をされる。


(……えっ?!)


更に太ももにまで手が伸びてきて、撫でられる。

ビックリして彼の方を見ると、いつも通りのポーカーフェイスで真っ直ぐマグ碁に視線を向ける彼がいた。


(やだもう……エッチなんだから)


私はチラリと前に座る二人の様子を見た。

彩は宿題に集中している。

京田さんも詰碁を解いていて、二人とも私達の行動に全く気付いていないみたいだった。


「どうした?精菜の番だよ?」

と佐為が意地悪く私の顔を覗き込んでくる。

「う、うん…」

「長考?」

「うん…」


彼の指は既に太ももを通り越えて、スカートの中にまで侵入してきていた。

それどころか下着越しに擦られて、私は真っ赤になって下を向くしかなかった。


(やだやだもう……こんなところでどこまでする気?!)


「その詰碁集難しいですよね。解けそうですか?」

「何とかね。でもこれは時間かかったかな。進藤君ならもっと早く解けるんじゃない?」

「どれですか?」


しかも京田さんと雑談まで始めてしまう佐為。

私のアソコを弄りながら談笑するなんて信じられない〜〜!!


彩と京田さんが一緒にドリンクバーを取りに行った隙に、私は周りに聞こえない程度の声で

「佐為のバカ!!」

と怒ってやった。


「ごめんごめん。声を我慢する精菜が可愛くて、つい」

「ついじゃないよっ」

「もうしないから」

「え?あ……うん」


佐為に弄られて、私の下半身は既に濡れ濡れだ。

それなのにいきなりの放置プレイだなんて……


「それとも、精菜の部屋で続きする?」

と耳許で甘く囁かれる。

「緒方先生、今日からイベントで札幌行ってるんだろ?」

とお父さんの予定もバッチリ把握済みな彼。

きっと最初からそのつもりだったんだろう。

私が放課後デートに誘わなくても、きっと今日は私の部屋に来るつもりだったんだろうと悟る。

もちろん嫌なわけじゃない。

私はコクリと頷いた。


「じゃ、僕先に出るから。5分くらいしたら精菜も出て来いよ」

と時間差を提案してくる。

財布から五千円を取り出した彼は、それを彩の席に置いてファミレスをさっさと後にした。

その後すぐ彩と京田さんがドリンクバーから戻って来る。


「あれ?精菜、お兄ちゃんは?」

「何か用事思い出したから先に帰るって…」

「ふーん?」


彩は机に置かれた五千円を見つけて、「お兄ちゃん気前いい♪」とご満悦だ。

「もっと頼んじゃお♪」

とデザートを追加し出した。




5分後。


「彩、私もそろそろ帰るね」

と立ち上がった。


「えー?精菜帰っちゃうの?」

「うん。お邪魔虫は退散するね」

「え…っ///」


途端に真っ赤になった初々しい二人を尻目に、

「ごゆっくり」

と私もファミレスを後にした。


一目散に家に向かって走り、玄関前で待っていてくれているはずの彼の元に急いだのだった――








―END―






以上、放課後デートの精菜視点でした〜。
佐為がどんどんエロく…
もちろんこの後精菜の部屋で存分にイチャイチャする二人なのでした〜。