●TIME LIMIT〜17才編〜 4●





ゴムを付けた後―――すぐに彼女の中に入った。

一年ぶりだけどやっぱり初めてじゃないからか、去年よりはすんなりとオレを受け入れてくれる。

柔らかくて温かくて…程よい狭さが今にも我を忘れそうなぐらい気持ちいい――


「…ぁ…っ、…あ…ん…ぁっ」

「…は……塔…矢…」

「ん……しん…ど…」

「塔矢……好きだ…好きだ…塔矢…」

「う…ん…」


バカみたいに『好き』を繰り返した。

奥まで挿れた後、塔矢に抱き着いてキスしまくって。

そして耳元で一年間溜めに溜めこんだ想いを彼女に訴え続けた。


「好きだ…」

「…うん」

「好きだ…塔矢、愛してる…」

「…う…ん」

「塔矢ぁ…」

「も…分かったから。そんなに言わなくても…分かってるから…」


塔矢の顔は困っていた。

確かに好きでもない奴にこんなに言われても…困るだけだろう。

でも、オレからしてみれば今は『恋人』なんだから、嘘でも少しぐらい同意してくれてもいいんじゃねーの?って感じだ。

一方通行は辛過ぎる……


「塔矢オマエ…『恋人』のプレゼント…くれてるんだよな?」

「え?…うん」

「なら、オマエも嘘でも好きって言えよ…」

「え……」

「オマエならそれくらいの演技…簡単だろ?」

「……キミはそれでいいの?」

「………」

「キミがいいのなら……言うけど…」

「……いいよ」


こうして――オレらは『完璧な恋人』になった――


オレが「好き」と言った回数「僕も」と返してくれて…。

彼女の方からも何度も

「好きだよ…進藤」

と囁いてくれた。




「ぁ…っ、…あぁ…っ――」


再び動き出して、体でも偽りの愛を確かめあってみた。

去年とは違う、何度も体位を変える激しいエッチに、塔矢は所々で困惑しながらも頑張って受け止めてくれる。


「……ぁ」

「気持ちいい…?」

「う…ん」

「オレも…」


この一年間、色んな女と付き合ってみたけど……やっぱり塔矢が一番いい。

オレののめり込み様が全然違う。

気持ちも、後味も全然違う。

好きな女を抱けるのって最高に嬉しいことだと思った夜だった――






「塔矢…オレのものになってよ」

「もうキミのものだよ…」

今はね、と付け足された。


「…オレのこと嫌い?」

「嫌な聞き方。嫌いなわけないだろう」

「でも今でもオレのこと…そういう目で見れないんだろ?」

「……ごめん」

「…オマエって変な女。好きでもない男と寝れるんだ」

「し、失礼な!尻軽みたいに言わないでくれ!キミがどうしてもって言うから…僕は――」


うん……そうなんだよな。

塔矢はライバルのオレを失いたくないんだ。

オレのご機嫌を取る為に仕方なく…このプレゼントをくれてるんだ。


「じゃあ…来年も頼むな」

「え…」

「来年も誕生日一緒に過ごしてよ」

「…もう決めてしまっていいのか?」

「うん。オレもう無理そう…他の奴に本気になるの。今日オマエを抱いてよく分かった」

「……」

「お願い塔矢…。オレに頑張る理由を頂戴」

「……」


溜め息をついた彼女は、オレを呆れた目で見ながら…頷いてくれた。

ありがとう塔矢。


オレ、これでまた一年頑張れるよ―――









―END―











以上、17歳のバースデー話でした〜。
おっっもーい(笑)重すぎます…ヒカル君。普通の女の子なら引きますよー。好き好き言い過ぎ。
でもアキラ以外には淡白なんだよねぇ…。この一年間で一体何人と付き合ったんだか…。
最後はプレゼント無しでも頑張れよ…って感じですよねー。
でもヒカル、タイトル取るぐらいだからかなり頑張ったんじゃないかな?
にしてもアキラってイヤイヤ言いながらも、始まってしまえば結構乗り気だよね(笑)
まぁ本人気づいてないだけで、本当はずっとヒカルのことが好きな設定だしね!